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SLASH スラッシュになる前の13~14歳の少年が、ロックスターになる夢を描いた、“青写真” のようなアート

スラッシュと言えば、ガンズ・アンド・ローゼズ、ヴェルヴェット・リヴォルヴァー、ソロなどのキャリアを通じて、ギタリスト、ソングライター、ミュージシャンとしてトップを走り続けているアーティストだ。

そのスラッシュが、まだスラッシュになる前の13~14歳の時、将来自分がロックスターになることを夢見て、“青写真” のような絵を描いていたのだ。そのアート作品はあることがきっかけで見つかり、今はその作品を紹介するアートショーとなって、ガンズ・アンド・ローゼズのワールド・ツアーと合わせて、世界中を回っている。2025年5月にガンズが来日した際も、そのアートショーは行われている。このアートショーを手がけているのは、スラッシュの実弟であり、ストリート・ブランドのパイオニア「CONART」を手がけるASH。ASHにこのアートショーについて話を聞いた。



スラッシュが13~14歳の時に描いた作品


SiiiCK そもそもスラッシュの10代の頃のアート作品でショーをやることになったきっかけは?


ASH どこから話せばいいかな……。このアート作品がどうやって見つかったかだけでも、ヤバいストーリーがあるんだ。1984年、僕の祖母がこの作品を倉庫に入れたんだ。彼女はできる限り倉庫代を払い続けてたんだけど、最終的には諦めて、そのまま放置しちゃったんだ。それから30年後、祖母が亡くなって、母が家を売ることになった。というのも、その土地が高級ホテルのフォーシーズンズに買収されることになって、新しい住まいを探さなきゃいけなかったからだ。母が街中を車で回ってた時、その倉庫があったアパートの建物を見つけたんだ。場所はメルローズ・アヴェニューからすぐのとことで、倉庫はメルローズの谷間のようなところにあったんだ。そのアパート自体はもう完全に崩れちゃってて、更地みたいになってたんだけど、倉庫ユニットだけは残ってて、チェーンも切られてた。それを開けてみたら、中には家族の思い出が詰まったようなものがいっぱいあって。急いでレンタルバンを借りてきて、できるだけたくさん運び出したんだ。次の日、24時間後に戻ってみたら……何と倉庫が跡形もなくなってた! ただの更地で、瓦礫ひとつない状態。あっという間にブルドーザーで撤去されちゃったみたいだった。運が良かったのは、まさにギリギリのタイミングで、中にあったものを救い出せたこと。こうして僕はこれらの作品を手に入れることができたんだ。


SiiiCK それらの作品は、いつどのような背景でスラッシュが描いたものですか?


ASH スラッシュがこれらの絵を描いたのは1979年、彼が13~14歳の頃だ。まだギターを始める前で、ロックスターになる夢を見てた時代だよ。当時、彼はスティーヴン・アドラーと大の仲良しで、一緒にBMXに乗ってたんだ。ある日スティーヴンがスラッシュに言ったんだよね。「バンドをやったらめちゃくちゃモテるぞ」って。それで決まったみたいだ(笑)。最初はスティーヴンが、「おまえはドラムをやれ、俺がギターをやるから」って言ってたんだけど、スラッシュは、「いや、俺がギターをやるよ、おまえがドラムをやれ」って返したんだ(笑)。だからいくつかの作品には、スティーヴンがギターを弾いてる姿も描かれてるよ。二人ともギター持ってて、まだバンドの編成も決まってなかった頃だね。二人は昔からロックンロールに夢中で、僕の家族も音楽が大好きな一家だった。特にスラッシュが一番影響を受けたのはエアロスミスで、ジョー・ペリーは彼にとって神様みたいな存在だった。そう言えば、LAに住んでたスラッシュの中学時代の親友で、今は家族経営のCanter’s Deliのオーナーをやってるコレクターがいるんだけど、彼もスラッシュのオリジナル作品をたくさん持ってる。当時、この友達はちょっと裕福で、スラッシュがエアロスミスの絵を描くと、機材費のためにと買い取ってくれたんだ。つまり彼はスラッシュの活動初期を資金面で支えてたってわけだ(笑)。この友達はスゴい写真家でもあって、バンドのキャリアを記録してきた。彼の写真はスタジオ撮影みたいなきれいなものじゃなくて、バックステージで酔っ払って女の子とパーティしてるような、友達にしか撮れない生々しいショットばかりなんだ。彼が出版した「Reckless Road: Guns N' Roses and the Making of Appetite for Destruction」という本は、ガンズの最高の本の一つだと思う。友達目線で撮られた貴重な写真がたくさん載ってるからね。彼はスラッシュのオリジナル作品を絶対に手放さないタイプで、「いくらお金を積まれても売らない」って言ってる。ただ一つだけ、エアロスミスに提供した作品があって、彼らのダブルアルバムのセンターの折り込みに使われたんだ。今回のショーのコレクションは、スラッシュになる前の少年がロックスターになる夢を描いた、“青写真” みたいなものなんだ。

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エアロスミスのライヴ・シーンを描いたアートワーク。スラッシュにとって、ギタリストのジョー・ペリーは少年時代からの憧れの存在だった



SiiiCK 「Grundy」名義の作品もありますが、Grundyという名前の由来は?


ASH 当時のスラッシュはまだ「スラッシュ」じゃなくて、本名である「ソウル」とか、あだ名の「Grundy(グランディ)」で呼ばれてた。ソロモン・グランディっていうのは、イギリスの古い童謡のキャラクターから取ったものだ。「ソロモン・グランディは月曜日に生まれ、土曜日に死んだ」ってヤツだよ。だから絵のサインも「Grundy」になってる。僕はこれを見た瞬間、「このキャラクターをアニメ化して、スラッシュのストーリーを描いたら面白い!」って思ったんだ。高校時代のガレージ・バンドとかBMX、最初のドラッグ体験とか……Netflixに売り込む方法を考えなきゃ(笑)。コレクションにはレッド・ツェッペリンやエアロスミスのロゴ、Vansのスニーカー、レッドラインのBMXバイクなんかのファンアートもある。スラッシュと僕の父もアーティストで、ジョニ・ミッチェルなどのアルバム・ジャケットを手がけたグラフィック・デザイナーなんだ。画家や彫刻家、建築家でもあったよ。今でも作品を作ってるけど、基本的には自分の楽しみのためにやってて。売る気は全くないみたいだ(笑)。

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「SLASH」と名乗る前の「GRUNDY」名義で活動。GRUNDYはソロモン・グランディというイギリスの童話のキャラクターに由来している



SiiiCK アーティストである父の影響は大きかったんですね。


ASH もちろん! うちの家族は全員クリエイティヴなんだ。母はファッション・デザイナーで、デヴィッド・ボウイやビートルズ、ポインター・シスターズ、テンプテーションズ、スティーヴィー・ワンダーなんかの衣装を手がけてた。’80年代にはジャネット・ジャクソンも手がけた。父の祖母は肖像画家で、貧しい地区から絵で這い上がって、子供たちに良い環境を与えたんだ。フェアファックス・アヴェニューにアートギャラリーも持ってて、それはファーマーズ・マーケットの向かいにあった。その後は、ビバリーヒルズにAmbrosiaっていうギャラリーをオープンさせてるよ。一方、祖父は写真家なんだ。だから元々、僕たちの家族はクリエイティヴなDNAを持ってるんだ。血の中に染み込んでて、どうしようもないくらいにね。そう言えば、母はスラッシュの最初の衣装もデザインしてたよ。トップハット以外は全部ね。革ジャンとかだ。本当にサポート熱心な人で、僕にも「おまえのアートはどこなの?」って、うるさく聞いてきたよ。普通の母親が、「大学に行け」とか「司法試験の勉強は?」って言うような感じで、母は「アートは?」って言ってくるんだ(笑)。他のアーティストには興味がなくて、「うちのチームの新人アーティストを見てよ」って僕が言っても、「そんなのはいいから、おまえのアートを見せなさい」って感じだった。僕が自分のブランド、CONARTを始めた時、確かに自分でアートも作ってたこともあった。でも、ショップに持ち込むと、「まあまあだね」って感じの反応で、スゴく傷ついたんだ。だからアートディレクターとして活動するようになって、才能のある若いヤツを見つけることにしたんだ。僕にはアーティストを見る目があって、そこは自信がある。今でも、「この人は世界で有名になるだろう」って人を見抜くことができる。それで、自分の技術やノウハウ、プリンターやリソースをアーティストたちと共有したんだけど、中にはすぐにコツをつかんで、自分でブランドを立ち上げるヤツもいた。ストリートで有名になるだけじゃなく、作品を商品化したり、バンドのアルバム・ジャケットにしたりして。でもそうやって、お金に変える手助けができたのはうれしかったね。

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学校や地元の友人を描いたアートワーク。全員がギターを弾いているところからも、スラッシュのギターに対する熱い思い入れが感じられる。1979年2月25日の日付で、「SLASH」と名乗る前の本名でサインしている

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エアロスミスをイメージして描いたアートワーク。1979年3月11日の日付で、本名でのサイン



世界中を回るアートショー


SiiiCK このアートショーは、ガンズ・アンド・ローゼズのワールド・ツアーと合わせて、世界中を回っているのですか?


ASH このアートショーのツアーは、最初は1年前にパリで開催したんだけど、スゴく好評だった。スラッシュのイラストは非売品で、今まで公開されたことも、ネットに上がったこともないものばかりで。ショーでは写真撮影も禁止で、内容も超レアなもので。もちろん全部サイン入りで、認証済みのものだ。値段は張るけど、欲しい人にはたまらない空間だったと思う。会場はMatt's Guitar Shopという超素敵なギターショップだった。ここは基本、予約制のプライベートショップで、ジミ・ヘンドリックスやエリック・クラプトン、ポール・スタンレーなど、超レアなギターが揃ってるんだ。ガンズのツアーデザインやスラッシュの作品を、そういった伝説の楽器と一緒に展示できたのは最高だったよ。その後1ヶ月前に東京で、その1週間後にはバンコクでも開催した。台北にも行きたかったけど、スケジュールが詰まりすぎて断念したよ。次は7月4日にストックホルムで、その後はセルビアでも予定してる。その後は様子を見ながら決めていくつもりだ。


SiiiCK 他にもまだまだ見せていない作品もありそうですね。


ASH スラッシュの子供時代の作品……水彩画で描かれたゴジラやウルトラマンとか……も実は持ってるんだけど、それはまた別の機会に取っておくよ。今やってるショーは、彼が自分の運命を形作っていった青写真と言えるものだからね。僕たちはガンズ・アンド・ローゼズのツアーグッズや、スラッシュのソロアルバムのジャケット、Gibsonのギターに使われたロゴとか、長年いろいろ関わってきたから、今回のアートショーも自然な流れなんだ。ショーで展示してる「TIDUS SLOAN」というのは、彼の最初のガレージ・バンドのことで、当時はオリジナル曲なんてなくて、レッド・ツェッペリン、エアロスミス、AC/DCのカバーばかりやってた。今でもフライヤーが残ってるんだけど、「キックオフパーティー! ビール飲み放題! 入場料5ドル!」みたいな手作り感が満載で(笑)。友達の家のバックヤードで演奏してたような時代さ。でもそうやって、13~14歳の時に夢見てただけのものが、16歳の時にはもう「スラッシュ」になってたんだ。最初のギターは祖母が質屋で25ドルで買ったアコースティックギターで、弦も緩んでたんだけど、BMXで遊んでた小学校の土手まで届けに行ったのを覚えてるよ。スティーヴンも一緒で、車で乗りつけてギターを渡したんだけど……その後の話はもう伝説だね(笑)。

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スラッシュが最初に組んだバンド、TIDUS SLOANが主催するイベントのフライヤーとして描かれたアートワーク



SiiiCK ASHがCONARTとして、ガンズ・アンド・ローゼズに関わったデザインも展示していますよね。


ASH ’91~’92年にはガンズのツアーグッズも手がけて、特にCBSクルーのMEAR ONEが描いたSKULL & US FLAGのデザインはバンドロゴよりも売れたんだ。ドラムヘッドやバックステージパスにも使われたし、マグカップやキーホルダー、ベルトのバックルとか、とにかくいろんなグッズになった。MaxfieldでOff-White™とコラボして復刻された時はちょっとムカついたけど。Tシャツが1500ドルもするんだ! でもまあ仕方がないか。RISKも一緒に仕事してるアーティストで、’90年代からCONARTに関わってくれてる。フェアファックスに店を出した時は作品を寄贈してくれて、Slash's Snakepitのアルバム『It's Five O'Clock Somewhere』のジャケットのリミックスも作ってくれた。ガーデナにあるMoby Artsで40×40インチの超大判シルクスクリーンで印刷したんだけど、博物館クラスの紙に手刷りで、本当に美しい仕上がりだった。今も新しいプリントを制作中だよ。

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SKULL & US FLAG。1991年からスタートしたガンズ・アンド・ローゼズのワールドツアーで、メインビジュアルとして採用され、現在も使われ続けている、大人気のアートワーク。手がけたのはCONARTのASH



SiiiCK あと、スラッシュが愛用している、THIRTEEN DESIGNSのジュエリーも展示していますよね。


ASH TAKA(Masataka “TAKA” Tokiwa)のブランドはロックンロール系のシルバージュエリーで、特にスカルデザインが特徴的なんだ。最初から彼のジュエリーに惹かれたし、そこから友情が芽生えて、スラッシュのポスタープリントでコラボもするようになった。去年の東京のショーでも、今年のショーでも、彼がデザインを手がけてくれて。スラッシュも彼のジュエリーを愛用してるよ。THIRTEEN DESIGNSはシルバージュエリー業界の中でも特にクリエイティヴだと思うね。ディテールのこだわりや仕上げのクオリティにはいつも感心させられるんだ。実際、多くのロックスターが彼の作品を着けてるよ。KISS、エアロスミス、モトリー・クルー、バックチェリー、スラッシュとか……まあ名前を挙げたらキリがないね。今回の東京のショーでは彼と共同でキュレーションを組んだんだけど、今後も一緒にやっていく予定だし、もっともっとコラボレーションしていくつもりだ。

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スラッシュの自画像。ギターと触れ始めた時期のもので、将来像を描いたアートワーク。1979年7月4日、独立記念日の日付で、本名でのサイン

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APPETITE FOR DESTRUCTION(差し替え前のオリジナル版)。1979年リリースのガンズ・アンド・ローゼズのデビュー・アルバムのジャケット。販売直後、過激なイメージが問題となり、ジャケットのアートが差し替えとなった。元のアートはロバート・ウィリアムスによるもの

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SLASHのジャパン・ツアーのサイン入りポスター




THIRTEEN DESIGNS

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 THIRTEEN DESIGNSは、スラッシュも愛用するジュエリーで、東京で行われたアートショーでは、コラボレーションもしている。


 1995年、日本初のロックンロール・ジュエリー・ブランドとして設立。繊細かつ大胆でありながら、ステージ上でのパフォーマンスを考慮し、計算し尽くされたデザインと、すべての生産工程を日本国内で行う品質の高さで、多くの支持を集めている。


 5月のガンズ・アンド・ローゼズ来日時には、スラッシュにペンダントとトップハットを作り、ASHとのコラボで、日本限定でスラッシュの直筆のサイン入りのポスターをデザインしている。


「2017年にガンズ・アンド・ローゼズが来日した時に、メンバー全員分のジュエリーを作って。会場である横浜アリーナの関係者の受付に行って、「これ作ってきたんで、渡してください」と言って渡したんですよ。それを知人がASHに伝えてくれて。ASHからライヴ中にロビーに呼ばれて、会って。それ以来、夜も飲みに行くような仲になりました。僕は2代目のデザイナーですが、先代の頃からのつながりで、THIRTEEN DESIGNSはエアロスミスが着けてたので。ASHはスラッシュにジョー・ペリーが着けてたブランドだと説明してくれて。次の時は直接会うことになったんです。そこで作ったものを渡しながら、ディスカッションできるような仲になりましたね。今回の来日では、ツアー用のハットにうちで作ったシルバーのコンチョベルトを巻いて、ステージに出てもらいました。ペンダントも着けてくれましたね。バンダナも今までに何回か渡してたんですけど、新品って折りジワがあるんですよね。今回はハットを渡す時に、箱の中にふわっとかけるような感じで、シワがないものを渡して。「バンダナも入ってるから」って軽く最後に言ったら、そのまま着けてくれました。スゴくうれしかったですね」。


「THIRTEEN DESIGNSは今年30周年になります。いろんな時期がありましたけど、メイドインジャパンにこだわってし、もう一回高く登れたらと思っています。やはりロックスターというものは誰もが憧れるような存在でいてほしいので。それをジュエリーとかビジュアルの方でお手伝いできないかなと思っていますね。それには、すでに売れてるとか有名とかは関係なく、これから売れようと夢を持って頑張っている次世代のロックスターたちも含まれます。僕がこのブランドを続けている理由は、そんなロックスターたちを応援できたらという思いが強いからです」。(Masataka “TAKA” Tokiwa)


https://www.thirteen-designs.com

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SLASH

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ASH / CONART

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