その中でもとびきりワイルドで、パンキッシュかつダンサブルで、歌の世界観がぶっ飛んでいるのが、スウェーデン出身のバイアグラ・ボーイズだ。
2015年にストックホルムで結成。1stアルバム『Street Worms』(2018年)が話題となり、『Welfare Jazz』(2021年)、『Cave World』(2022年)と、アルバムごとにアプローチを変えた作風で進化を続けてきた。そして、昨年2025年リリースした4thアルバム『viagr aboys』(2025年)では、さらなる新境地を見せている。
さらにエッジを増した、パンキッシュかつダンサブルなサウンド。さらにパンチが効いているヴォーカルのセバスチャン・マーフィーの歌。過去の楽曲に見られた、直接的な社会・政治的メッセージからは距離を起き、現実と夢、個人と社会、バカバカしさと誠実さ、といった境界線を軽く超えてしまうような、痛快なカオスがここにはある。それでいて結局のところ、愛しかないということも歌っていたりするのだ。
SiiiCKでは初来日公演となった、2026年1月27日、渋谷Spotify O-EASTにて行われたライヴの直前に行ったインタビューを紹介する。
インタビューが行われたのは、会場近くにある餃子屋。サウンドチェックの後、腹が減ったというメンバーの意向で、餃子屋に移動したのだが、ライヴ直前にあれほど酒を飲むバンドを見たのは久しぶりだった。
インタビューには、セバスチャン・マーフィー(ヴォーカル)、ヘンリク “ベンケ” ヘッケルト(ベース)、ライナス・ヒルボリ(ギター)、トゥール・ショーデン(ドラムス)、オスカー・カールス(サックス)のメンバー全員が参加。
この直後に行われたソールドアウトのショーは、会場全体がとてつもないエネルギーに包まれ、最高の爆音サウンドが鳴り響く中、とにかく自由で、リアルをさらけ出すような、楽しくも熱いライヴとなった。
Photography: Kazumichi Kokei
念願の初来日
SiiiCK ここの餃子はどうですか?
セバスチャン (日本語で)オイシイデス。
SiiiCK 初来日ですよね。
セバスチャン そう、初来日なんだ。めっちゃワクワクしてるし、ここが本当に気に入ってる。日本に来るのは長年の夢だったんだ。今夜演奏するのもスゴく楽しみだし、正直どんなことが起きるのか、全然想像がつかないよ。どんな人たちが来るのか、わからないからね(笑)。日本には2日前に来て、メンバーの何人かは明日には日本を出るんだけど、俺とエリアス、オスカーは、あと5日くらいここに残る予定だ。せっかく来たんだから、やっぱり楽しまなくちゃね。他のメンバーには家族があるし、怒った奥さんと面倒くさい子供がいる。子供の成長を見守らなきゃいけないんだ。
SiiiCK 日本に来て、カルチャーショックは?
セバスチャン 今のところ、特にショックなことは何もない。全部がスゴくいいから。
エリアス 日本ではスゴく歓迎されてるよ。
セバスチャン 何もかもがちゃんと整ってるし、スゴくいい感じだ。食べ物も何でも好きだな。刺身もいい。昨日は牛タンをたくさん食べたけど、めちゃくちゃ美味かった。居酒屋にも行った。鰻の刺身と肝も食べた。
SiiiCK 日本からのインスピレーションで曲が生まれるようなことはありそうですか?
セバスチャン もちろんだよ。
SiiiCK 「Man Made of Dumplings」(餃子で出来た人間)みたいな。
セバスチャン 「Man Made of Ramen」だな(笑)。俺はそれになりたい。
SiiiCK 今夜のステージ衣装は?
セバスチャン 何もないよ。(お腹を見せながら)俺の身体だけだよ。シャツを脱ぐだけだ。楽屋でショートパンツは履くかもしれない。
エリアス 長すぎるから、切った方がいいよ。
SiiiCK 初めてライヴをやる場所では、いつもどのように臨んでいますか?
セバスチャン 正直、いつもと同じだね。ただいつも通りのセットをやって、できるだけ良い夜にしたいだけだ。でも、今夜はあまりしゃべらないかもしれない。普段はたくさんしゃべるんだけど、今夜はいつもより静かになるんじゃないかな。
SiiiCK いろいろヤバいことを話してほしいですよ。そう言えば、昨年2025年11月26日には、地元ストックホルムのアヴィーチー・アリーナでライヴをやりましたよね。ああいう巨大な会場と今夜のO-EASTのような会場とでは、ライヴのアプローチは変わりますか?
セバスチャン アヴィーチー・アリーナは最高だったよ。でも、どこの会場でも変わらないかな。今度、3月6日にはもっと大きな会場でやるんだ。イギリスのアレクサンドラ・パレスで、1万人キャパだけど、ソールドアウトしたよ。とても楽しみにしてる。しかもその日は俺の誕生日なんだ。
SiiiCK 今回の来日を記念して、最新アルバム『viagr aboys』のJapanese Deluxe Editionをリリースしましたよね。サブスクのジャケット写真にも、日本盤ならではの「帯」が入っていましたね。
セバスチャン 日本の美意識が好きなんだ。
SiiiCK この来日記念盤には、ボーナス・トラックとして4曲が追加されていますね。
エリアス あの曲がフィジカルでリリースされるのは日本だけで、世界の他の地域ではリリースされないんだ。
SiiiCK 「Therapy」の別ヴァージョンである「Therapy II」が収録されているのが良かったです。
セバスチャン そうなんだ。あと、前に作った曲も入れてる。「Cumboy」は『Cave World』の時に作った曲だ。
エリアス 2020年にレコーディングして、リリースしなかった曲もあるよ。
セバスチャン 今こそがリリースのタイミングなんだ。俺らは日本のために何か特別なものを作るのが好きだから。「Therapy II」は今夜プレイするつもりだよ。日本人はモッシュするの?
SiiiCK しますよ。
セバスチャン やった!(笑)

バイアグラ・ボーイズの名前の由来、パンクロック観
SiiiCK アルバム『viagr aboys』ですが、ジャケットのアートワークが、ソニック・ユースの『Dirty』を彷彿とさせますね。
セバスチャン 実際、ソニック・ユースにインスパイアされてるから(笑)。あのアルバムのフォーマット自体がスゴく気に入っていて。左右5文字ずつ文字を並べて、対称にしたかったんだ。「viagr」「aboys」ってね。今、ご指摘があった通り、ソニック・ユースのパクリだよ(笑)。
SiiiCK ここに来て、セルフタイトルにした理由は?
セバスチャン ソニック・ユースのアルバムを見て、文字の並びを見て、『viagr aboys』だって、ピンと来たんだ。セルフタイトルにしたのは、このバンドで10年活動してきた中で、このアルバムはこの10年間やってきたことの本質みたいなものだと思ったからだ。
SiiiCK バイアグラ・ボーイズという名前自体もヤバいですよね。バンドがバイアグラである以上、リスナーは興奮できるわけだから。
セバスチャン 音楽を聴いて勃起できるからね。音楽に対する欲望で、大量に血液が流れ込むんだ(笑)。
SiiiCK このバンド名にした本当の理由は?
セバスチャン 当時、俺と友達はアンフェタミンを大量にやってた。でも、スピードをやると勃たないんだ。だから、女の子に会う時はバイアグラを飲んでた。これって、最悪なアイデアだけどな。でも、俺は人生で最悪な選択を何度もしてきた。まあ、その当時、友達がバイアグラを持ってて、バーでバンド名を考えてた時に、「Viagra Boysでいいじゃん。良い名前だよ!」って言ったんだ。それで決まりだ。
SiiiCK このバンド名が原因で起きた問題はあります?
セバスチャン 最初の頃は、俺たちに対して先入観を持ってる人たちが多くて、戸惑うような経験もあったね。「こいつらバカなんじゃないか」とか、「どうせセックスの歌しかやらないんだろ」とか思われたり。でもそれは本当に初期だけの話で、今はもうあまりないね。ちゃんとしたバンドだと思ってくれてるみたいだから。
SiiiCK 「パンク」をどうとらえているのかについても聞きたいのですが。「Punk Rock Loser」という曲が最高で、「I tried to warn you I'm loose!」で「I’m loose」と歌っている感じが、実はスゴくパンクだなと思ったんです。シリアスに考えることもあるけれど、シリアスになりすぎないみたいな意味で、「loose」というワードを使っていますよね。
セバスチャン おでこにタトゥーで「lös」って入れてるぐらいだから。「lös」っていうのは、スウェーデン語で「loose」の意味なんだ。「loose」っていうのは、例えば、カッコいいヤツがいると、「cool」って言うような。いや、coolじゃなくて、「chill」かな。チルで、一緒にいても自分らしくいられるヤツのことだ。気取ってなくて、退屈じゃなくて、新しい体験にオープンで、ちょっとクレイジーなヤツ。
SiiiCK 「loose」と言うワードを使った例文は?
セバスチャン 「昨晩、ある女の子とハングアウトしてたんだけど」、「彼女はlooseだった?」、「けっこうlooseだったよ」。
一同 爆笑
セバスチャン 違う、違う、今、君が考えてるような意味じゃないからな(笑)。「loose」は男に対しても使えるワードだから。
SiiiCK 初期のパンクは、すべてを破壊するとか、すべてにファックとか、反体制とかいうような、ミッションのようなものを掲げていたと思います。でも、「Punk Rock Loser」で歌われているのは、そういうことではなく、生きたいように生きることで。自分の周りを破壊しているのに、自分自身は変わらないんですよね。これこそがパンクだなって思えたんです。
セバスチャン そうそう。つまり自由だよ。あとは、「偉そうになるなよ」って話だ。人は常に変わり続けるし、俺はどうあるべきかとか、あまり気にしないから。
SiiiCK 女性は関係ない、ということも歌っていますよね。
セバスチャン 女性だって? 俺は女性が大好きだよ。妻だっているし(笑)。まあ、でも俺たちは間違いなく、魂のレベルでパンクロックしてるよ。
Viagra Boys - Punk Rock Loser
SiiiCK 音楽的には様々なバックグラウンドがあると思いますが、いろいろインスピレーションを受けた中で、最も奇妙なパンク・バンドは?
セバスチャン インスピレーションで言うと、俺にとって大きいのは、Black Humorっていうバンドだね。名前の響きも好きだし、初めて聴いた時のヴォーカルの歌い方が本当にいいと思った。歌詞もヤバいんだ。何が違うのかって? いや、特に説明できないけどさ。(スマホでBlack Humorの曲をプレイする)
SiiiCK このバンド、looseだね!
セバスチャン そうそう、その使い方!(笑) 『Love God, Love One Another』というアルバムでは、ジャケットの星条旗の星の代わりに鉤十字が使われてたんだけど、後で変えなきゃいけなくなった。いろいろヤバいバンドなんだ。
SiiiCK バットホール・サーファーズも好きですよね。
セバスチャン バットホール・サーファーズは大好きだ。一番好きな曲は「Hey」っていう曲だ。ただそれだけのタイトルだ。
SiiiCK 声を大にして言いたくないけど、大好きなバンドは?
セバスチャン いないね。いたとしても、言うわけないじゃん(笑)。
SiiiCK マライア・キャリーは?
セバスチャン そうでもない。だけど、彼女の曲を歌うのは好きだ。「We Belong Together」を歌うと楽しい。
SiiiCK マライア・キャリーをカラオケで歌ったから、このバンドに誘われたんですよね。
セバスチャン そうそう。彼女のおかげでバンドが存在してる(笑)。ちょうど2日前にも歌ったばかりだ。
ベンケ ヤツの歌は素晴らしかったよ。カラオケでマライア・キャリーの歌を歌うセバスチャンは、まさに輝いてた。
SiiiCK それでバンドに誘ったんですね。
ベンケ いろいろパンク・バンドの話をしてたんだ。そこからカラオケに行って。歌を聴いて、バンドに誘った。
セバスチャン Flipperっていうバンドの話をいろいろしてた。あと、Pere Ubuも。俺にはバンド経験はなかったけど、死ぬまでやってやろうと思ったよ。
SiiiCK ベンケはNitadというバンドにいましたよね。
ベンケ そうそう。パンク・バンドだよ。
SiiiCK Kvoteringenとスプリットを出しましたよね。
ベンケ 知ってるんだ? Nitadは日本ではビッグだったのかな(笑)。

サウンドとリリックのコンビネーション
SiiiCK バイアグラ・ボーイズの曲は、バンドのサウンドとセバスチャンのリリックのコンビネーションが絶妙だと思うんですよ。どうやって曲が形になるのですか?
セバスチャン 基本的にはいつもこんな感じだ。まずはメンバーがリフを書いてきて、それをみんなで聴いて、どれがベストなのかを決める。で、俺はとりあえずハイボールを1杯頼むんだけどね。ハイボール!(と、注文をする)
SiiiCK めっちゃ日本の飲みですね。
セバスチャン カロリーを気にしてるんだ。ビールを飲むと太るから。ハイボールを飲めば、スキニーでいられる。
SiiiCK 痩せるつもり、あるんですか?(笑)
セバスチャン ああ、痩せたいよ(笑)。餃子、もう2皿、頼むよ(と、注文をする)。で、曲作りなんだけど、リフを選んだら、その中でどれが歌詞のインスピレーションをくれるのかを考えるんだ。それでまずは仮の歌詞を書く。意味のない言葉とか、でたらめな単語を並べたりして。そのまま歌うこともあれば、たまに完全に作り話で歌って、それがそのまま曲になることもある。ごくたまに、リフが出来る前に歌詞を書いておくこともあるよ。でも大抵は、「これ、面白いな」とか「これ、ちょっと気になるな」と思ったアイデアが一つあって、それをスマホにメモしておく。で、後から探そうとするんだけど、正直、いろいろありすぎて見つからないことも多いんだよね(笑)。
SiiiCK 初めて、「布団の下からクルトンを見つけた」(「Uno II」)とか、「俺はおまえの母ちゃんのOnlyFansを購読してる」(「Man Made of Meat」)といった歌詞を聴いた時は、思いきり吹き出しましたよ。
セバスチャン (笑)まあ、全部周りにあるものとか、自分が見てるものから影響を受けてる感じだね。
Viagra Boys - Uno II
Viagra Boys - Man Made of Meat
SiiiCK いくつかの曲では、かなり面白いストーリーを歌っていますよね。それがまた不条理だけど、どこか腑に落ちるようなストーリーで。頭の中にあるもの、現実、夢の間の境界線なんてないですよね。
セバスチャン そうそう、現実と空想の間を行き来してる感覚はあるね。かなり無意識的な部分も多いとは思うけど。
SiiiCK 「The Bog Body」にしても、2000年前のミイラ化した遺体の保存状態が良すぎて、彼女が嫉妬するなんて、かなり不条理で面白すぎますね。
セバスチャン そうなんだ。彼女はその遺体が大好きなんだ。それで俺が嫉妬してる。最初に嫉妬したのは俺で、それを俺が曲にしたら、今度は彼女が嫉妬するんだ。
SiiiCK 復讐ですね。
セバスチャン そうそう。復讐の歌だ。
SiiiCK 「Pyramid of Health」では、小さな緑の虫が出てきて、神の啓示のような謎の助言をくれるのですが、これはもうサイケデリックな体験みたいに聴こえましたね。
セバスチャン そうなんだよ。アワヤスカみたいな幻覚剤だ。昔はよくやってたけど、今はあまり好きじゃない。今はどちらかというと、現実を拡張するタイプのドラッグの方がいい(笑)。サイケデリックはもう二度とやらないと思うね。恐ろしいんだよ。効いてる時間が長すぎるから。今のお気に入りはハイボールだ(笑)。
SiiiCK 毎回、アルバムごとにアプローチを変えているとのことですが、『viagr aboys』ではどのようなアプローチを考えたのですか?
セバスチャン 今回はシンプルに、「自由」を追求したね。いろいろ試してみて、どうなるかを見たという感じだ。それって、たぶん’90年代のロックから影響を受けてる部分が大きいと思う。あの時代のバンドは本当、やりたいことを自由にやってたからね。ニルヴァーナ、ソニック・ユース、バットホール・サーファーズとかそうじゃん。ちょっと’90年代のバンドっぽい音にしたかった部分もある。同時に、俺たちが俺たちらしい部分に関しては、絶対に手放すことはない。それはずっと変わらないものだから。あと、ディーヴォからのインスピレーションは常にあるね。曲作りに関して言えば、ディーヴォがたぶん俺にとっては一番大きな存在なのかもしれない。
SiiiCK バンドメンバーにサックス奏者がいるのも、サウンドのユニークさにつながっていますね。
セバスチャン そうだね! そこはザ・ストゥージズからのインスピレーションだ。特にベンケはザ・ストゥージズをよく聴いててたし、「もっとセックス感が欲しい」って言ってた。それでこの男、オスカーに出会ったんだ。彼は本当に素晴らしいフリージャズのミュージシャンだ。
SiiiCK サックスが入ると、イアン・デューリーを彷彿とさせるところもありますね。
セバスチャン セックス、ドラッグ&ロックンロールだね(笑)。
SiiiCK セバスチャンのセックス、ドラッグ&ロックンロールの現在は?
セバスチャン 常に俺の最優先事項だよ(笑)。非常に重要なことだから。

SiiiCK あと、バンドのサウンドで面白いと思うのが、ビートに打ち込みっぽい感覚があって、それがまたダンスミュージック的なグルーヴを生んでいるんですよね。
セバスチャン そうだね。打ち込みのビートは意識してる。(ドラマーのトゥールを指差して)ヤツはマシーンみたいだ。
トゥール 自分でも何故こういうビートになるのかはわからないけど、大切なのは俺たち全員が出す音楽だからね。あまり考えすぎることなく、グルーヴだけを考えてるよ。みんながダンスをすれば、ユニティも生まれるし。それが基本にあるね。
セバスチャン ヤツはダンス親善大使なんだ。
トゥール 日本の人たちもそれを理解してると思うし、どこでも同じことだと思う。みんなが欲しいものって、スゴく基本的なことだけなんだ。それが人間を人間たらしめてる。ダンスできるというのは、必要不可欠なんだ。そうやって人がつながることが、人生では重要なことだと思うから。
SiiiCK サウンドチェックの音がとんでもなく良かったのですが、サウンドのこだわりもありますよね。
トゥール それは全部、うちのサウンドエンジニアのクリストファーのおかげだ。彼はずっと俺らと一緒にやってるんだ。
セバスチャン すべてはちゃんとお膳立てされてるわけだよ。
トゥール そこは本当に重要ところで。サウンドがひどかったら、誰も俺たちを好きにならないだろうから。
SiiiCK 早くライヴでトゥールのビートを体感したいですね。
セバスチャン ヤツの演奏はひどいけどね。
トゥール 特に、これだけビールを飲んだ後はね。トゥクトゥクトゥクトゥクドコドコドコドコドタンドタン…………
SiiiCK シンプルじゃないですね(笑)。
セバスチャン 飲み始めると、ドゥルドゥルドゥルドゥルグルグルグルグル……って感じさ。フリージャズ地獄だよ(笑)。こんなに飲んだから、ショー全体もフリージャズ地獄になると思うね。

SiiiCK セバスチャンは、カリフォルニア生まれで、スケーターで、彫り師だったんですよね。
セバスチャン そうだね。カリフォルニアのサンラファエル生まれで、10代の時はスケートボードをやってた。日本にはスゴくクールなスケートカルチャーがあるよね。昨日もキッズがストリートでスケートしてるのを見たよ。日本から出てきてるスケーターのスタイルは本当にクレイジーだと思うな。

セバスチャン・マーフィーのバックグラウンド
SiiiCK 17歳の時、カリフォルニアからスウェーデンに移住したことで、人生は大きく変わりましたよね。
セバスチャン ママがスウェーデン人だったから、元々、スウェーデン語は話せたんだ。10代でドラッグをやりすぎて、リハビリ施設にいたんだけど、そこから出た時に、高校に戻るのが耐えられなかったんだ。同じ人生に戻りたくなくて、そこで思いついたのが、スウェーデンのおばさんの家に引っ越すというアイデアだった。それで、スウェーデンに引っ越したんだけど、もちろんカルチャーショックはあったし、不安にもなった。今じゃ自分のことを、スウェーデン人の男だと思ってるけどね。アメリカ生まれだけど、今はアメリカという国を誇りに思えないから。
SiiiCK この質問をしたのは、セバスチャンのリリックには、夢の話だけはなく、セバスチャンの人生体験が反映されていると思ったからなんです。
セバスチャン もちろんそうだ。アメリカで生まれ育ったことも影響してるよ。俺の歌詞は、基本的には自分に起きたこと、体験したこと、見てきたことから来てる。トリップしてぶっ飛んでた時のことも含めてね(笑)。
SiiiCK 人生の中でハードな時期もありましたよね。
セバスチャン 人生のほとんどは本当にハードだった。本当、数年前までそうだった(笑)。でも、毎日スピードをやってたのをやめることにしたんだ。今の俺には妻がいるし、俺のことを支えてくれてる。一番の親友だよ。それにバンドのメンバーも俺を助けてくれた。このバンドは俺に人生の目的を与えてくれたんだ。
SiiiCK 『viagr aboys』のラストの曲「River King」がラブソングなのも、そういうことなんですね。
Viagra Boys - River King
セバスチャン そうそう。妻のことを歌ってるんだ。
エリアス (自分の手のケガを見せる)
ライナス 俺たちはアリゾナ州のツーソンにいたんだ。こいつはカッコつけて、小さなポールを飛び越えようとして、手をケガしたんだ。今もちゃんと握手できないくらい、痛いらしいよ。
セバスチャン こいつはいつもカッコつけてるんだ(笑)。高いところからジャンプしてみたり。運動神経がいいんだろうけど。

SiiiCK 日本に来てからは、何かやらかしました?
エリアス 昨日は酔っ払って、路上で裸になってた。
セバスチャン 倒れてたから、頭に蹴りを入れたよ(笑)。
エリアス (スマホの写真を見せながら)昨日はスゴく楽しかったな(笑)。
セバスチャン まさに、日本人みたいな一日を過ごしたよな(笑)。「I’m turning japanese ♬」(と、The Vaporsの「Turning Japanese」を歌い始める)。
ライナス 昨日はいろいろバーをハシゴしたよ。バーテンダーにも一晩中、お酒をおごった。彼らは今日のライヴに来るみたいだよ。

SiiiCK 2026年のプランは?
セバスチャン ビッグ・イン・ジャパン。
ベンケ 南米に行く。今年は今までで最大規模のワンマンをロンドンでやる。1万人規模のアレクサンドラ・パレスだ。ツアーが終わった後は、ニューアルバムの制作に入る。9月のリリースになる。日本には来年の夏にまた来るつもりだ。

『viagr aboys』
(Shrimptech/Silent Trade)
2026年1月9日リリース

Tracklist:
Man Made of Meat
The Bog Body
Uno II
Pyramid of Health
Dirty Boyz
Medicine for Horses
Waterboy
Store Policy
You N33d Me
Best In Show pt. IV
River King
Therapy II (Bonus Track)
Middleage(d) Humanoid (Bonus Track)
Watching You (Bonus Track)
Cumboy (Bonus Track)
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