ライヴ、スケート、ファッションを通じて、Vansのアイコニックなモデル “Old Skool” を体感しようというイベント、「The Vans Old Skool Block Party Kabukicho」が行われた。会場となったのは、王城ビルと歌舞伎町シネシティ広場の2会場。王城ビルでは、2月にスタートしたカプセルコレクション「Premium Old Skool Music Collection」で表現したOld Skoolとの結びつきが深い、パンク、ハードコア、ラウドロック、ヒップホップなどのジャンルの国内外アーティストによるライヴが行われ、歌舞伎町シネシティ広場では、特設スケートパークが設置され、誰もが参加できるスケートセッション、国内外のVansチームライダーの参加、スケートショップの出展、イベント限定アイテムの販売などが行われ、Vansスケート・チームによる最新映像『36 -Saburoku-』の試写会も王城ビルで行われた。ここでは 4月20日のライヴに出演したLAのバンド、The Paranoydsのインタビューを紹介。メンバーは、スターズ・リンデス(ヴォーカル、ベース、ギター)、レクシ・ファンストン(ベース、ギター)、レイラ・ハシェミ(キーボード)、デイヴィッド・ルイズ(ドラムス)の4人。スターズはファッションの世界では有名なモデルだったりもする。
初来日とこれまでの活動
SiiiCK 遂に来日が実現しましたが、どんな感じですか?
レイラ スゴくいい感じ。
スターズ 最高に楽しいわ。
レクシ 昨日はスワローズの野球の試合を観に行った。
デイヴィッド でも勝ったのはジャイアンツ。
レクシ 途中までしか観れなかったから。
デイヴィッド 時差ボケで疲れ果てたよ。
スターズ ロカビリーのツイスターズ(ツイストを踊る人)を見に代々木公園に行ったんだけど、見つからなかった。
SiiiCK 最近は聞かないですね。
デイヴィッド 新世代のツイスターズはいないの? ちょうどメキシコシティにもそういう場所があって、行ったことがあるんだ。毎週日曜になるとバンドがカバー曲をプレイして、みんなが踊るんだ。それを期待して代々木公園に行ったんだけどなあ。
SiiiCK 今回日本に来て、最大のカルチャーショックは?
スターズ セブン-イレブンの食べ物のクオリティが高いこと。私はおにぎりが大好き。
レクシ 私は卵サンド。
デイヴィッド 僕は一蘭に行ったけど、美味しかったよ。でも、何よりも刺激的なのは、とにかく人が多いことだね。しかもみんなファッションがイケてるんだ。
SiiiCK 初めてThe Paranoydsを観たのは、2015年8月、LAのTimewarp Recordsのインストアライヴでしたが、この10年間の音楽の旅はどのようなものでしたか?
レクシ 2015年のライヴは私たちの本当に初期のショーよ。
スターズ 私はちょうどNYからLAに引っ越してきたばかりだったし。
デイヴィッド バンドはゆっくりと始まった感じだよね。
レクシ The Paranoydsの前から一緒にバンドをやってたりもしたけど。
スターズ マジなバンドではなかった。
レイラ それ以来、アメリカ全国を何度もツアーをやってる。
スターズ Suicide Squeezeと契約して、その後にThird Man Recordsと契約して、それは今も引き続きで。アルバムを2枚リリースして、EPも何枚か出して、ツアーもたくさんやってて、イギリスにもメキシコシティにも行ったし、3月は韓国のソウルにも行った。今年はニュー・アルバムも出る予定。
デイヴィッド もうすぐ完成するんだ。
レイラ アメリカに帰ってから完成させるつもり。
SiiiCK 4人のメンバーそれぞれがいろいろな音楽を好きで、それがThe Paranoydsで一緒にやることで、新たな化学反応が生まれたと思います。この10年間で音楽性の方はどのように変化、進化していきましたか?
スターズ 私たちはただ音楽を楽しんでるだけ。曲作りもライヴも楽しんでやってるから。それはバンドが始まった時から変わらないことで、今もそこは大切にしてるところ。ライヴにはスゴくエネルギーを注ぐんだけど、それは良いライヴをやりたいからで。4人の化学反応が強いのは今も変わってないと思う。
SiiiCK ポップな曲もあれば、アブストラクトな曲もあるし、クラシック・ロックも入った曲もありますよね。
デイヴィッド サウンド的にはいろいろ違うものもやってるけど、僕たちにとってはどれも同じなんだ。
レクシ 同じようなサウンドの曲は作らないつもりでやってるから。
スターズ The Paranoydsのジャンルが何なのかは決められないと思う。
レクシ ニュー・アルバムの曲にしても、この曲はあのアルバムに似てるとか、この曲はシューゲイザーとかいうのはなくて。
スターズ 人間らしさに溢れてる音楽だと思う。今もイヤーモニターは使わないし、打ち込みのトラックも使わない。これは生の音楽だから。
デイヴィッド 演奏ミスだってあるしね。それに今は僕たち一人ひとりがより大きな自由を楽しんでる。前のアルバムの曲だと、この曲はこうあるべきみたいなのは、多少はあったから。
SiiiCK 2022年のアルバム『Talk Talk Talk』もそうですが、2023年のEP『I Like It Here』では、これまで以上にいろいろな音楽の冒険をしているし、めちゃくちゃフレッシュなんですよね。
スターズ 実際に曲作りをするのも、ライヴでプレイするのも、スゴく楽しいんだよね。

左から、レイラ・ハシェミ(キーボード)、スターズ・リンデス(ヴォーカル、ベース、ギター)、デイヴィッド・ルイズ(ドラムス)、レクシ・ファンストン(ベース、ギター)
2025年にリリース予定のニュー・アルバム
SiiiCK ニュー・アルバムはどういう感じのものになりそうですか?
スターズ レコーディングはザ・キルズのジェイミー・ヒンスと一緒にやっていて。ザ・キルズのギターのサウンドやエフェクトは素晴らしいし、ジェイミー自身も素晴らしいエネルギーを持ってるの。ニュー・アルバムにはそういうサウンドの素晴らしさが反映されてるし、変わらずロックンロールを鳴らしてる。前のアルバム同様、ストレートな曲もあれば、変わった曲もあって。私自身、変わらずDevoも好きだし、The Mechanicsも好きだから。
レクシ キーボードがメインの曲もあるし、ギターが聴きどころの曲、ベースが引っ張る曲もあって。どの楽器からでも曲が始まるし、始まってしまえば他のメンバーがそれについていくの。踊れる曲も2~3曲あると思うわ。みんなが踊ってくれるのがうれしいから。
デイヴィッド 今日のライヴでプレイすると思うよ。
レクシ 日本だけのエクスクルーシヴ(笑)。
デイヴィッド その曲でスウィートなひと時になれると思うんだ(笑)。僕たちは完璧にプレイすることよりも、ヴァイブスを大切にしてる。だから、プレイ中に良い音だなと思えばそのまま続けてしまう。それが音楽の冒険になるんだよね。
スターズ 今回はいつもと違うアプローチをしたことがあって。ジェイミーのスタジオに行って、「今日は何が出てくるのか見てみよう」って言って。その場で曲を即興で作って、レコーディングしてみたの。ニュー・アルバムはほぼそういうやり方で曲が出来ていった感じ。
デイヴィッド 曲を2回はレコーディングしたからね(笑)。
レクシ エクスペリメンタルだったから、制作を始めた去年の夏の気持ちがたくさん詰まってる。2024年6月のエッセンスが曲になってる(笑)。
デイヴィッド スタジオを含めて、制作環境も影響してると思うな。
レクシ ハリウッド・ヒルズで制作したから、木々に囲まれてたし、チルな雰囲気があるのも良かった。
スターズ リラックスした環境だったし、プレッシャーなんてなかった。
SiiiCK 2021年にジャック・ホワイトが主宰するThird Man Recordsと契約して、2022年にはジャック・ホワイトのツアーに同行しましたよね。どういう経緯があったのですか?
スターズ レーベルのスカウト・チームがいるんだけど、アルバムのリイシューをやるだけでなく、現行のバンドを契約するために動いていて、私たちのことを見つけてくれたの。
レクシ 彼らが主催するSXSWのショーケースに招待されたんだけど、コロナ禍だったからショーケースはできなくて。
スターズ 代わりにライヴ配信をやって。私たちの曲「Freak Out」を気に入ってくれて。仲良くなって、そこからアルバムにつながっていったの。ジャックにとっては、現行のバンドをサポートすることが重要で。私たちは彼のレーベル所属ということもあって、5公演のオープニングに抜擢されることになった。あれは最高の経験になったわ。
The Paranoyds「Freak Out」
レクシ ジャックはロックンロールの神様だから。
スターズ ジャックのクルーはみんなデトロイトのファミリーと友達だし、素晴らしい音楽を生み出して、みんなを一緒に連れていってくれる。その点で彼はスゴくリアルだった。
レクシ しかも彼はいつもツアーをしてるの。常にハードワークだから。
スターズ 彼自身がそうだから、ハードワークしてる人に対するリスペクトも忘れないし、ファンに対する感謝も忘れない。
SiiiCK ジャックから受けた音楽のインスピレーションはどうですか?
スターズ ホワイト・ストライプスからは大きな影響を受けてる。私が10歳の時、「Fell in Love With a Girl」を聴いてトバされたわ。彼らは本当に革新的だったから。私はホワイト・ストライプスとゴリラズにめちゃくちゃヤラれたの。よくホワイト・ストライプスの曲をアコースティック・ギターで弾いてた。彼らは最高よ。
SiiiCK それほど大好きなアーティストと共演して、ライヴも間近で観れたわけだから、最高でしたね。
スターズ ジャックが私たちの存在を知ってることすら、今でも信じられないからね。かなりヤバいことだから。
SiiiCK 今日のライヴのセットリストはどんな感じになりますか?
スターズ どのアルバム、EPからも選曲した、すべてが詰まったものになってる。
レクシ ハイエナジーなセット。
デイヴィッド どのレコードからも均等に選曲してるよ。
レクシ グレイテスト・ヒッツ(笑)。
The Vans Old Skool Block Party Kabukichoでのライヴ



Vansとのつながり、ロック・バンドを続ける意味
SiiiCK Vansとはどのようにつながって、今回の来日が実現したのですか?
レイラ けっこう昔からの付き合いだよね。
スターズ 2016年にNYブルックリンのHouse of Vansに出演したのが最初になるね。私はLAに住んで、ファッションの世界にいて、スケートボードもクロスオーバーしてるから、スケート・ブランドの仕事もしてきたから。
レクシ VansとはSXSWでもやったし、ハンティントン・ビーチでのサーフィン大会、USオープンでもやったし、そこではサーフボードのシェイプもやって、自分のボードを作ったりもした。
スターズ シカゴでもHouse of Vansに出演したね。
レクシ ヴェニス・ビーチのボードウォークでは、パンク・バンドのXとの共演もあった。
スターズ あれは夢が叶った瞬間だった。
レクシ 思い出に残ってるライヴはVansのイベントが多いわ。
スターズ 3月のソウルも最高にヤバかった。
SiiiCK そう言えば、2024年はL7とも共演しているんですよね。
レクシ 最高だった。ライヴ後にメンバーと会って話したんだけど、ジョークで盛り上がって。
スターズ 裏表の全くない人たちだったわ。
SiiiCK 今の時代、いろいろな音楽がある中、ロックンロール・バンドをやることについてはどう思っていますか?
デイヴィッド 昔と変わらないんじゃないかな。
レクシ ハードワークを続けて、なるべくたくさんライヴをやって、ツアーに出て、カッコいいバンドをサポートする。そうやって広げていくだけ。
スターズ AIの時代にどんどんなっていく中、やっぱり人間らしさというものがますます重要になるんじゃないかと思っていて。私自身、個人的には危いところが全くないライヴなんて観たくなくて。もちろん座席に座って素敵なライヴを観たい時だってあるけど、ロックンロールはエッジーなものであってほしい。ジャンプしたり、コケたりしたっていいの。今はそういう人間らしい体験が求められると思うし、それこそがロックンロールじゃないかな。だからロックンロールは残るし、カムバックしてるんだと思う。
デイヴィッド このバンドを始めた時点で、すでにヒップホップは音楽業界の中心になってたから、状況は全く変わってないんだよね。だから、「俺たちはリッチで有名になるんだ」とか「ヒルズに家を買うんだ」とか思ったことがなくて。今もこれを続けてるのは、ハングアウトして、クールな人たちと出会って、クールな場所に行けるっていうのをやりたいからだ。こうやってクールなことができてるのはスゴくラッキーだと思ってる。だからこれが続けられることがうれしいんだ。今も僕たちに興味を持ってくれる人がいて、いろいろ形にしてくれるからね。
SiiiCK これまでメンバーチェンジも活動休止もなく、バンドを続けてこれた秘訣はありますか?
デイヴィッド エネルギーがあって、楽しくやれたからだよ。
レクシ 友達だし。
デイヴィッド メンバー同士、アジェンダを押しつけたりしなかったからね。それに、バンド自体がアナーキーなんだ(笑)。やりたいことをやってるだけだから。
スターズ それに、ハートも込めてきたから。音楽の喜びしかなかったし。みんなに共有して、みんなで楽しみたいだけだから。
SiiiCK メンバーのみなさんはBFFですか?
レクシ BFFLよ。Best Friends For Life(一生のベストフレンド)だから。BFF以上の存在(笑)。
SiiiCK 10年前と変わらないヴァイブスですね(笑)。2025~2026年のプランは?
スターズ アジアはまたツアーで来たいし、南米、メキシコ……とアメリカ以外をもっとツアーで回りたい。あとは、ニュー・アルバムのプロモーションも控えてる。アルバムが出たらFUJI ROCK FESTIVALに出てみたい。
デイヴィッド 新しいところにツアーで行きたいな。日本には飽きるまで何度も何度も来たいね。

The Paranoyds
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