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Joel Abad 数多くのパンクロック・バンドのアートワークを手がけるスペインのアーティスト。2025年10月3日〜30日、アート喫茶フライにてパンクロック・アート展を開催

NOFX、オフスプリング、ランシド、ペニーワイズ、ラグワゴン……

数々のパンクロック・バンドのアルバム・ジャケット、ライヴポスター、マーチャンダイズのアートワークを手がけるスペインのアーティスト、Joel Abad(ジョエル・アバド)。生き生きとしたカラフルなキャラクター、ストーリーを感じさせ、ディテールにもこだわるジョエルのアートは、何よりも見ていて楽しいし、ワン&オンリーのスタイルだ。日本が大好きだというジョエル、2025年10月3日~30日にアート喫茶フライにて、本人も来日してのパンクロック・アート展を開催する。最大規模となるパンク・ポスターのコレクションは日本で初公開とのことで、日本人アーティストのTM paintとのコラボ作品も展示するという。来日前のジョエルに話をきいた。



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音楽とアート


SiiiCK 今まで日本には何度行きましたか?


ジョエル 今度行くので5回目になるよ。去年日本に行った時、日本の田舎が大好きになったんだ。最初に日本に行ったのは10~11年前だったかな。友達と一緒に行って、キャンピングカーを借りて。東京から大阪まで旅して、いろんな街や小さな村に滞在して、それぞれの場所を楽しんだ。スゴく楽しかったから、それ以来できるだけ早く日本に戻れるようにしてるんだ。


SiiiCK 音楽、アートなど、カルチャーの最初の入り口は? 最初から音楽とアートは一緒でしたか?


ジョエル 音楽もアートも同時だね。僕は子供の頃から音楽が大好きだし、ライヴにもよく通ってた。同時に、絵もずっと描いてた。音楽とアートは常に一緒だったから、バンドのために絵を描き始めたんだ。それ以前は、ブランドや企業のためにグラフィック・デザインやイラストをたくさん手がけてた。でもある瞬間に気づいたんだよね。結局自分がやりたいのは音楽とアートに関わるものなんだって。それ以来、音楽のアートを手がけてるんだ。


SiiiCK 絵を描き始めた時の最初の一歩は?


ジョエル 子供の頃はクラスに通って絵を習ってた。キャンバスに描いたり、写実画を描いたりしてた。でもその後、描くのをやめちゃって、ただ描きたいと思った時に描くだけだった。絵が仕事になるなんて考えもしなかったね。でも2005年、25歳の時、グラフィック・デザインのスタジオをオープンして、ブランドや会社のためにデザインを始めて、時々バンドの絵も描いてたんだ。スタジオ自体は2005年から今までずっと続けてるし、大きく成長した。それで10年前かな、会社のためのグラフィックデザインはもうやらないと決めたんだ。バンドのために絵を描くだけでいいと思ったから。それ以来、音楽関係の絵しか描いていないね。


SiiiCK Grafficantsというのがグラフィックデザイン・スタジオの名前ですか?


ジョエル そうそう。たまにその名前を絵のサインに入れることもあったけど、絵だけを描くって決めてからは、自分の名前で出すことが多くなった。自分の名前でアートを築いていきたいんだよ。今では自分の名前の方が知られるようになったね。


SiiiCK 好きなバンドを見つけるたびに、音楽だけでなく、アルバムのアートワークやマーチャンダイズ、ポスターも好きになりますよね。そういう音楽とアートのコンビネーションでは、どういうものが好きでした?


ジョエル たくさんあるよ。アルバムのジャケットが好きで買ったCDがほとんどだからね。最近、大好きなCDのジャケットを見てたら、実は人気アーティストが手がけてることに気づくようになって。RKLを手がけたダン・サイツ、マーク・デ・サルヴォ、Coopとかのアートを見てると、「ああ、この人たちはこういう色や表現を続けているんだな」って気づかされるんだ。それで自分も影響を受けるし、さらに拡げていきたくなるんだよね。CoopはNOFXの『I Heard They Suck Live!!』を手がけてるんだけど、あれが出た時はすぐに好きになったね。音楽の背景にあるアートは音楽と同じくらい僕を魅了するんだ。あと、コミック・アーティストで好きな人もいる。ロバート・クラムとかジャニス・ジョップリンのアルバム・ジャケットを描いてるからね。


SiiiCK 初めて手がけたアルバム・ジャケットは?


ジョエル Fourty Beers Laterの2001年のアルバムだよ。僕の親友のバンドなんだ。来年このアルバムは25周年を迎えるというので、再レコーディングをするんだ。25年後の来年、その再録盤のジャケットも僕が手がける予定だ。


SiiiCK 自分のアートのスタイルはどのように確立しました? 


ジョエル 自分の好きなアートははっきりしてたから、まずはそれの模倣から始まるんだけど、スタイルは自分で形成していくものだし、自然と形になっていくものだ。簡単に描ける絵もあるけれど、複雑な絵だってある。自分の中でこれは違うなと思うものを排除していくうちに、スタイルはどんどん出来上がっていくんだ。だけど、100%コンピューターで描くようになってからは、違う表現もできるようになったね。タブレットで描くんだけど、手描きの絵とは全然違う絵が出来ることがある。媒体が変わると線やインキング、仕上げ方が変わるんだ。手描きで紙に描いたり、ブラシ、インク、マーカーを使って描いたりもするけれど、コンピューターで描くよりも複雑になる。僕が描くものはポスターとかマーチャンダイズ、SNSで使われることが多いから、コンピューターで作業する方が修正する場合も簡単になるんだ。絵の中の要素を分けられるから、調整も楽なんだ。自分のスタイルに関しては、自分のライスタイルと自分の仕事の仕方のコンビネーションになると思うよ。


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クリエイティヴの制作過程


SiiiCK YouTube動画では実際にデジタルインキングを行う制作過程を見せていますよね。


ジョエル 制作過程を見せることも好きだから、もっとやるべきだと思ってる。そうすることでこの仕事の価値も上がるだろし、プロセスやアイデアを見せることは重要だと思ってるから。制作過程でデジタルインキングしてるところを録画するんだけど、編集してない動画がたくさん溜まってるんだ。やることが多いし、3ヶ月も経つと、新しいものを撮ろうってなってしまうからね。



SiiiCK プロフィールの中に「ミューラリスト」というのもありますが、ウォールアートもやるんですね。


ジョエル 前はけっこうやってたけど、今は2~3年に1回ぐらいしかやらないね。大きい絵を描くのが好きで、制作してると気分がいいんだよ。もっとやるべきだとは思ってる。最近はインスタ経由で、ベルリンのレストランから依頼が来てるから、日本から帰国したら描きに行く約束をしてるんだ。前回の来日の時も、バルセロナの友人が高円寺でAmerican Socks Japanというショップを開いたので、内装の絵を頼まれたよ。

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SiiiCK あなたの作品は色彩が豊かだし、キャラクターにしても、人間からスカル、モンスター、タコに至るまで、生き生きとしていて、物語とか映画のワンシーンのようにも見えます。どのようにアイデアを思いついて、作品を形にしていくのか、そこの制作プロセスを教えてください。


ジョエル 最初はいろいろ考えすぎてしまうんだよね。ただ美しい絵を作るだけじゃダメだと思ってるから。何かしらのメッセージが必要なんだよ。何かが内部で起きてる必要があるし、動きがあってこそ絵は生きる。「映画のワンシーンみたいだ」と言ってくれたのは良い表現だよ。通常は形になりそうな良いアイデアをもとに描き続けて、どれが見栄えがいいのか、どれが描くのにあまりに複雑すぎないのかを見極めるんだ。一枚の絵にたくさんの人を描きすぎて、一人ひとりが叫んでたりしたら、複雑になるからね。そこで、「よし、人間じゃなくスカルにしてしまおう」ってなる。それだけで簡単になるんだ。あるいは全員を真っ黒にして、背景に爆発を入れてみたりする。僕の仕事はポスターが多かったりするから、情報をどう伝えるかが核になる。バンドのロゴ、ツアーの日程、チケット情報とかだ。最終的にポスターというのは情報を伝えるためのものだからね。だからインスタで見ても、路上で見ても、わかりやすいものがいい。最初は、情報をもとにレイアウトを考えて、そこに絵のアイデアを入れていく。そこからスケッチと色付けを何度も繰り返して、完成度を上げていくんだ。僕はけっこう時間がかかる方で、ポスターを完成するのに2~3日かかるけど、1日10時間ぐらい働く日もあるし、その後一日まるまる休んだりもする。先月は家族と夏休みを取ったけど、今は1日10時間仕事をしてて、これから日本に3週間行くといった感じだ。通常、一つのドローイングに3日かかることが多い。それに、取りかかる前はずっと考え続けてる時間もある。スケッチを描いて、クライアントに送って、アプルーバルをもらうという作業もある。大体は1日かけてスケッチを行い、もう1日かけてインキングを行い、最終日の3日目は色と最終調整という感じだ。もちろん1日で終わることもあるし、逆に1週間くらいかかることもある。


SiiiCK ハードワークが続くと、たまにキャラクターが夢に出てくることとかないですか?(笑)


ジョエル それがあるんだよ。最悪なのは、夢の中で絵を描いてて、目が覚めたら「全然仕事になってないじゃん! やり直さなきゃ」ってなる時だね(笑)。

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SiiiCK 自分の作品の中でお気に入りを選ぶとしたら何になりますか?


ジョエル NOFXのために描いた絵だね。自分にとってスゴく意味があるんだ。僕の人生でずっと一番好きなバンドだからね。他にも好きな作品はたくさんあるけど、NOFXの絵は別格だ。基本的に自分の作品って、最初は大好きなんだけど、3ヶ月とか半年経つと好きじゃなくなるんだ。たくさんミスを見つけてしまって、「こうすれば良かった」って思ってしまうから。ここのレタリングはこうすれば良かったとか、ここの影の入れ方は違うとか思ってしまうんだよね。僕は自分の作品に対してかなり批判的なんだ。


SiiiCK 完璧主義者ですか?


ジョエル けっこうそうだね。スゴく細かいところまでこだわるから。一本一本の線がちゃんと決まった場所にないと気がすまないんだ。時間はかかるけど、その分スゴく良い結果になるんだけれどね。


SiiiCK あなたの絵の中にはかなり多くの要素が入っていますが、複雑には見えないんですよね。むしろディテールを大切にして、バランスを取っていると思うんです。


ジョエル それが好きだからね。強迫観念なのか、絵の中をすべて埋め尽くしたくなるんだ。ディテールを大切にするのは、ストーリーを説明するのにも役立つし、「何がそこで起こってるのか」を伝える助けになるからなんだ。キャラクターを描くだけじゃなく、そのキャラがどこにいるのか、天気はどんな感じなのか、どんな感情なのか、どんなヴァイブスなのか、もっといろいろ感じ取ってもらいたいんだ。細かいディテールによって、全体のストーリーはもっと伝わりやるくなるから。

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日本での初個展、インターナショナルな活動


SiiiCK 今回、日本で個展をやるのは初になりますか?


ジョエル 初めての個展だよ。


SiiiCK この個展では何を見せたいと思っていますか? ポスター、イラストレーション、未公開作品、スケッチ、レアな作品などなど、いろいろありそうですが。


ジョエル 今ちょうどプリント工場で作業してて、ポスターを刷ってるところなんだ。ほとんどがパンクロックのポスター、アルバム・ジャケット、フェス関係のものになるね。未公開作品について言うと、NOFXのために作ったパスがいくつかあって、それも持っていくつもりだ。昔の作品で古すぎてインスタにはアップはしたくないものもある。あと、スペシャルなコラボもあるんだ。TM paintとのコラボ作品なんだ。TM paintのパートはもう完成してて、僕のパートはまだ途中なんだけど、遅れてるとは言えちゃんと間に合うようにするつもりだ。他にもいくつかのスケッチを見せる予定なんだ。クライアントに承認されなかったヤツとか。でもそれを見せるのがいいのかどうかはちょっと迷ってる。個展に来てくれる人たちが、全部を目にして、手に取れるようにしたいんだ。


SiiiCK 個展のポスター/フライヤーに描かれているキャラクターはあなた自身ですよね。


ジョエル そうそう(笑)。


SiiiCK 今回、アート喫茶フライで個展をやることになった経緯についても聞かせてください。


ジョエル 去年の3月、NOFXを観るために日本に来て、横浜公演とPUNKSPRINGを観に行ったんだ。そこでHi-STANDARDも観たよ。TM paintと一緒に行ったんだけど、インスタで友達になって、お互いの作品が大好きなんだ。実際にTM paintと対面したのがアート喫茶フライで、そこがミーティング場所だった。その時、アート喫茶フライの佐野翔にも会って、「ここで個展をやりませんか?」って言われたんだ。「もちろん! 来年やりましょう」って答えたよ。それでやることになったんだ。個展に関してはTM paintが手伝ってくれて、アドバイスをくれたり、仲介役をしてくれたりしてる。


SiiiCK あなたはスペイン出身で、今もスペインに住んでいるし、アーティストとしてのキャリアも地元からスタートさせました。スペインにいながらも、世界中から認められて仕事ができるようになったのは何故でしょうか?


ジョエル 最初は地元の町のバンドから始まって、そこからバルセロナのバンドとかに広がっていった。友達の多くはバンドをやってたり、プロモーターとか会社をやってたりして、お互いに大きくなっていったし、お互い助け合ってきた。彼らがポスターを必要としてる時は、僕は喜んで手伝ったよ。今ではパンクロックの世界で多くの人たちが僕のスタイルを認識してくれてる。バンドからも認められるようになって、一緒に仕事をすると、他のバンドからも仕事をお願いしたいって声をかけてもらえる。それがどんどん広がっていったんだ。有名なバンドと仕事をすると、さらに多くの人が目にする。アメリカのバンドをヨーロッパに呼ぶプロモーターの仕事もたくさんやってるし、そのポスターも作ってる。それでアメリカのバンドがスペイン、バルセロナでライヴをやる時はそのポスターを依頼されるんだ。あともう一つ良いのは、ライブ告知用じゃないポスターの仕事もあることだ。これは物販用のショーで売られるポスターで、例えば、オフスプリングのツアーで、「30人のアーティストがそれぞれ30種類のポスターを作って、会場で販売する」という企画があったりする。そういうのに関わると、大きなバンドのための仕事ができるし、自分の作品をたくさんの人に見てもらえる。そういうのが雪だるま式に積み重なっていったんだ。だから、今回日本で個展ができるのは、僕にとってスゴく良いチャンスになると思う。多くの音楽ファンが、すでに僕のアートワークを知ってくれてて、連絡ももらってる。最近ふと思ったんだ。「地球の裏側に僕の作品を知ってる人がたくさんいるんだ」って。日本という国を愛してるし、今回は僕自身を日本に紹介する機会にもなるし、バンドに会ったり、人に会ったり、そこから何かが生まれるのが楽しみだからね。

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SiiiCK 今取り組んでいるプロジェクトについても聞かせてください。


ジョエル フェスとかコンサート向けに作ってるポスターがあるんだけど、日本に3週間行くから、それまでに仕上げないといけないね。その中にはオフスプリングのコンサートがあるし、アメリカのフェスのポスターでライヴ会場販売のものもある。あと、かなり大きいプロジェクトがあって、それはまだどうなるかはわからない。今はとにかくテーブルの上にあるものを全部終わらせて、日本での個展の準備を整えてるところなんだ。日本に行ったら思いきり楽しみたいからね。


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JOEL ABAD PUNK ROCK ART EXHIBITION

ジョエル・アバド パンクロック・アート展


2025年10月3日(金)~10月30日(木)


OPENING PARTY

10月3日(金)18:30~20:30

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バンドやフェスのポスター、パンクなイラスト、未公開作品、スケッチ、レアなもの、そして唯一無二のTM paintさんとのコラボ作品も展示します!

10月3日18:30からオープニングパーティーをやりますので、ぜひ遊びに来てください。展示は月末まで、プリントやシルクスクリーン、ジン、マーチなども用意しています。

(ジョエル・アバド)


アート喫茶フライ

東京都目黒区東山1-3-6 クレール東山201

TEL: 03-6303-3065 

OPEN 11:30~24:00 (L.O 23:00) 

Instagram: @art.kissa_fly_



Instagram: @joelabad

https://grafficants.com

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