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Skaai アーティストとしての葛藤とライヴバンドとの制作を通して結実した1stアルバム『Gnarly』。ここから始まる新たなチャプター

Skaaiが待望の1stアルバム『Gnarly』を2025年12月3日にリリースした。

これまでにもジャンルを自由に横断してきたSkaaiだが、本作ではライヴバンドの演奏を制作のベースに据え、新たなスタイルに挑戦。試行錯誤を重ねながら作り上げられた『Gnarly』は、ヒップホップを軸としつつも、これまで以上に開かれた音楽性とアーティストとしての進化を鮮明に打ち出している。Skaaiの現在の姿を映し出すと同時に、新たなチャプターの幕開けを告げる作品だ。

Skaaiは「ラップスタア誕生 2021」への出演をきっかけに、大学院研究者からラッパーへという異例の転身で注目を集めた。圧倒的なラップスキルに加え、ソウルフルな歌声、トリリンガルのリリック、独自の世界観を武器に、2021年にシングル「Period.」、2022年に「Nectar.」と1st EP『BEANIE』、2023年に2nd EP『WE’LL DIE THIS WAY』を発表。Spotifyの「RADAR: Early Noise 2023」への選出や、荘子itとのコラボシングル「変な空気」、プロデューサーKMとのEP『Podium』など、精力的に活動を続けてきた。

2024年はSkaai名義での表立った活動が少なかったものの、2025年に入り大きな動きが始まる。長年ともに制作を続けてきたプロデューサーのuin、ギタリスト/プロデューサーのyuya saito(yonawo)、プロデューサーのBadFriendsとともに、自主音楽レーベル「FR WIFI」を設立。『Gnarly』は、彼ら自身が楽曲制作からミキシングまでを担う体制で制作された。

アルバムには、トランペッターの寺久保伶矢、シンガーソングライターの岩崎桃子が客演で参加。さらに、Keity(ベース)、熊代崇人(ベース)、梅井美咲(キーボード)、eiji nakamura(キーボード)、Cure Kaito(ギター)といったミュージシャンが名を連ねる。Skaaiとyuya saitoの同居人でもあるシンガーソングライター/プロデューサーのAlex Stevensも制作に加わり、全曲のマスタリングは交流の深いKota Matsukawa(w.a.u)が担当した。

ライヴバンドとセッションしているかのようなSkaaiのラップと歌は、極めてスリリングだ。ジャンルとかマーケティングと言った枠なんて関係ない。そこにあるのは音楽そのものの力であり、音楽に導かれていくアーティスト、Skaaiの新たな姿なのである。

本作の制作背景や現在の心境について、Skaaiにインタビューを行った。



Photography: Jesse Kojima



これまでの音楽の旅


SiiiCK 今回のアルバムを聴いた時に、どんな音楽の旅をしてきたのかなと思ったんですよね。Skaaiは最初に出てきた時からスキルもあるし、アイデアもあるし、新人というよりも玄人感もあって、おそらく何だってやろうと思えばできたと思うんですよ。あと、『ラップスタア誕生 2021』に出たことによって、ラップゲームの中でどうやっていくのかも考えたと思うんです。おそらくいろいろ試行錯誤がありつつも、音楽をやる楽しさとか、そういう方向に向かっていったのかなと思ったんですね。


Skaai 本当に音楽に狂わされましたね。『BEANIE』と『WE’LL DIE THIS WAY』というEPに関しては、自分の中で正解があって、逆算して作ってた感覚があったんですよ。『BEANIE』の次のEP『WE’LL DIE THIS WAY』は、ちょっと暗めというか、自分の内面を吐露するような内省的なリリック、歌い方が多くて。徐々に自分の感情を表現するということを始めた時期だったんです。今年1年は正解を全く設けずに、人との関わり、バンドメンバーの出会い、そこで話したこと、自分のスタジオで弾いてるギターのサウンドとかに、いちいち感銘を受けて。そこでリリックを書いていく、そういう制作スタイルだったので、あまり硬くはなかったですね。


SiiiCK 正解があって、逆算して作っていた感覚だったものが、音楽に狂わされたというのは、実際にはどのような感じだったのですか?


Skaai どう方針を決めてやって、クリエイティヴのどの部分を自分がコントロールしないかの判断がついたという感じです。制作においては、自分が枠を決めない方がいいと思ったので、本当に自由に狂わされてる感じで、偶発的、自然発生的に出来た音を採用してるんです。「この音のハメ方は狂ってるな。だけどそれが気持ちいい」みたいな。きれいな音楽を目指してないから、むしろ狂わされてることに心地良さを感じる。自分の主体性がないようであるというか、あるようでないというか。


SiiiCK 音楽を作り込むところから、音楽に身を委ねたところに行った感じですか?


Skaai 身を委ねましたね。


SiiiCK それが面白かったわけですよね。


Skaai これまでは、プロデューサーのuinと僕とでEPを作ってきて。そのスタイルの良さもあるんですけど、今回は制作メンバーとバンドメンバーが一緒なんです。そうなると、音源の音色作りとライヴの音色作りに関しては、僕以外のメンバーがプロなんですよね。みんなDAWを触れるし、楽器も全部弾けるので。全員プレイヤーでもあり、プロデューサーでもあるという人たちで。じゃあこいつらと一緒にチームをやる時に、自分の特色って何だろう?と思ったら、やっぱり言葉だなと思って、今回は言葉にめっちゃ集中しましたね。だから今回はこれまでとは全く違う景色だったかなと思います。


SiiiCK バンドのメンバーとの出会いも大きかったわけですよね。


Skaai そうですね。自分はレーベル(FR WIFI)を立ち上げたんですけど、レーベルのコアメンバーは、自分と、uinとyuya saitoっていう自分の同居人かつyonawoのメンバーなんです。ヒップホップ・カルチャーとヒップホップ・ミュージックって、若干区別した方がいい瞬間がある気がしてて。自分はヒップホップというカルチャーに生まれ育ってはいないけど、でもヒップホップ・ミュージックには救われてきたし、感銘を受けて、自分も人生を投影できるんです。だからヒップホップ・ミュージックをスゴい好きだし、ヒップホップ・ミュージックの中ではいたいんです。でも、音楽としてもカッコいいものを作りたい。そういう意識ですかね。だから、アウトプットとしてヒップホップライクなものだけを作るのは違うと思ってて。ちゃんと音楽性でバッチリかましてて、世界の音楽の歴史の中でも目立つ、マジで画期的な音楽を作るっていうのが、アルティメットゴールなんです。


SiiiCK 曲作りもメンバーと一緒にやっていった感じですか? そこの制作プロセスも聞かせてください。


Skaai 自分の家にスタジオがあるので、そこのコントロールをyuya saitoがやっていて。エンジニアリングもしかりで。そこにみんなが集まって、音を流しながら作るんです。歌詞は基本的に自分一人で作ります。ずっと4ヶ月間、音作りはみんなでやってました。


SiiiCK 今回、ラップそのものがジャズみたいな感じに聴こえたんですよね。


Skaai 確かに。フュージョン感もあるので。


SiiiCK 即興演奏を言葉でやっているような感じがスゴくしたんです。


Skaai そうですね。いろんなフロウをやってみたいし。自分としてはパーカッシブなラップをする方だと思ってるので。パーカッションって奥深いし、パーカッションの真髄にたどり着けるのかな?って思うじゃないですか。ドラマーもそれを追い求めてドラムを叩いてるし。それを自分もラッパーとしてやりたいなと思って。ラップという楽器を使ってセッションに参加してるという意識で作った曲が何曲かあります。こういうアウトプットの仕方があるんだというのを、自分は提示したかったですね。自分は日本のヒップホップにどっぷり浸かってきたわけじゃないですけど、ヒップホップ畑にいる者として俯瞰してみると、みんな似通ったフロウになったり、似通ったことを言ったりしてる。そもそもヒップホップって、自分の出自とかオリジナリティというものを大事にするジャンルであるはずなのに、同じようなことを言ってるのってどういう状況なんだ? これって正しいのか?って。自分は原理主義ではないですけど、ただ、「おまえの話を聞かせてくれ」って思うことがスゴくあって。だから、今自分が発信できる自分だけのストーリーを、自分だけの音楽性で考えてみたかったんです。


Skaai - FR WIFI (Live at Billboard Live YOKOHAMA | 20250920)



プレイヤーとしての成長、マネージメントの考え


SiiiCK この3年間は日本のヒップホップ全体が盛り上がっていったし、そのシーンにもいたわけですからね。


Skaai この盛り上がりはスゴくいいことで。盛り上がらないとシーンも出来ないし。その分ヒップホップ人口も急成長してるわけで。みんなにオリジナリティを求めても、それは無理な話なんです。みんなが誰かの真似をして、そこから広がっていくものだと思うから、周期的には必要な時期だとは思うんですよ。その周期が一周回った時に、誰が背中を見せるの?って。こういうクリエイティヴがあるんだっていう提示を、一個一個見せていく。自分はそういう背中を見せないといけないアーティストだと思ったんですよ。だから、そういうアルバムを作りました。


SiiiCK もちろん仲間との出会いもあったから、こういう音楽が生まれたと思うんですけど、同時に自分のミッションみたいな部分もスゴく考える人だと思うんですよね。目標があったり、音楽性を広げたり、音楽的な冒険をしたり、音楽の文脈を突き詰めたり……どういうことが最初にあったのですか?


Skaai 最初、自分は音楽というよりも現象を作るのが、一番興奮するタイプだったから、どうやったらデカい現象を起こせるのかというところから始まったんです。でも、Alex Stevens、yuyaと住んで、バンドの有機性、バンドの熱狂みたいなところに深く感銘を受けて、そこに心酔してしまって。そうなると、やらざるを得なくなったんです。


SiiiCK それを知ってしまった以上、やるしかなかったんですね。


Skaai 音楽をやるしかないなって。どういう現象を起こすのかは置いといて、今の自分のステージでこれだけの熱狂を埋められるのか?って。とりあえず俺は音楽で自分が熱狂して、その熱狂の渦にみんなを巻き込む、そういう現象の作り方が一番いいなと思って。それで順番が変わったんです。


SiiiCK ある意味、プレイヤーになったというのも大きいですよね。


Skaai かなりプレイヤーになりましたね。かなりマネージャーにもなった気がします。こういうことを言語化することによって、自己理解も深まって、マネージメントの考えも成熟してきたのかな。まだまだですけど。


SiiiCK 自主レーベルのFR WIFIを主宰していますが、設立した背景として、自分の音楽活動をやっていく上での体制を作りたいという部分もありました?


Skaai FR WIFIは、元々コレクティヴ・チームでやってたんですよ。面白い曲を作ろうよって集まったメンバーで、話していくうちに、曲も作っていくうちに、Skaaiのアルバムを作るろうということになって。展望の話をしだしたら、レーベルという可能性が見えてきたんです。そこからレーベルの戦略も立て始めていった感じなんです。


SiiiCK レーベルではどのようなことを考えていますか?


Skaai とりあえずSkaaiのプロジェクトで、今回『Gnarly』というアルバムを出して。アルバム全曲をスタジオ・ライヴで撮るというのをやったんですね。自分としては革新的なことだし、横動画で42分の動画をYouTubeに載せるという、今の時代に逆行してることをやって。今は短い縦動画を出すことにみんなが頑張ってると思うんですけど、そういうちょっと観るのに気合いが要るようなコンテンツがスゴい大事になってくると思って。確実にシーンと時代のマイルストーンになるような作品を作っていきたいし、FR WIFIとしても、レーベルとしても作っていきたいんです。それは音源もそうですし、映像コンテンツとしてもそうなんです。


SiiiCK そのライヴ映像を観ましたけど、めちゃくちゃ面白かったですよ。実際のライヴを観たいと思わせるような映像でした。


Skaai 本当にそのための映像なんですよ。狙いがそこだし、Skaaiは急激に変わったから、今の現在地はここですっていうのをプレゼンしないといけなかったんです。


Skaai - Gnarly (full film)


SiiiCK 2024年は、Skaaiとしての活動をあまりやっているイメージがなかったのですが、代わりにTRIPPYHOUSING(Skaai、yuya saito、Alex Stevensによって構成された音楽ユニット)の活動があったので、今に至るまでの音楽的な冒険をやっていたのかなと思ったんですね。


Skaai 冒険、迷走とも言いますけど。楽しいけど、何のために上京したんだっけ?ということも感じたし。本質的にアーティストとしてやりたいことをやってるのかな?って。そこはずっと考えてましたね。


SiiiCK 本当にやりたいことは何かということの追求でもあったわけですね。


Skaai TRIPPYHOUSING自体はスゴいユニークなユニットだから、やり続けはするんですけど、じゃあSkaaiって、何をすればいいんだろう?って。いろんな友達と出会って、「おまえカッコいいな。俺も頑張るわ」って、言葉では言うけど、どう頑張ろうか?って。そういうところはずっと考えてましたね。


SiiiCK 出口が見えない時は辛いですよね。


Skaai 辛かったですね。ただ遊んでるようにしか見えなかったです。現実逃避してるようにしか見えなかったから。


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アーティストの本質


SiiiCK それこそ『ラップスタア誕生』の時に大きく注目されたので、そのイメージもあったわけで、自分が今やっていることとのギャップもあるし、答えも出せないから、やはり辛かったと思うんですよ。


Skaai 『ラップスタア』のおかげで、俺は上京もできたし、音楽活動を始めるきっかけにもなったから、『ラップスタア』には本当に感謝しかないんですよね。ただ知名度だけが先走って、音源を後出しで出していくというキャリアだったので。そうなってくると、期待値が先にある中で、それに追いつくために作るという発想になってしまうんです。それはそれできつくて。自分はアーティストなのに、アートを衝動で作れてないなっていう。


SiiiCK 問題はそこだったんですね。2枚のEPもスゴく良い作品だと思いますけど。


Skaai いや、いい作品です。あれはかけがえのない、あの時にしか作れない作品なので。今思い返せば、あれはめちゃくちゃピュアなSkaaiの当時の心境だったから、それはそれで正解なんですよ。でも、苦しんでること自体がアーティストの本質から背いてるような感覚もあって。だから、2枚のEPを出した後の1年間は何も作らなかったんです。とにかく期待から離れようって。自分の中で勝手にみんなが自分に期待してると思ってたんですよ。みんながSkaaiにはこれを期待してるんじゃないかというのを、自分の中で仮想して。それに苦しめられてました。


SiiiCK 期待に応えたいというのがあったんですね。


Skaai 俺って期待に応えたがってるんだ?って思った時に、音楽をする前の自分と、音楽をした後の自分は、何も変わってないなって。俺は人の期待に応えるような思考でずっと人生を歩んできたなって。親の期待とか、先生の期待とか、みんなからの期待とか。俺、何も変わってないと思って、めちゃ苦しかったんですよね。


SiiiCK スゴいところまで行ったんですね。期待に応えるのも悪いことじゃないと思いますが、期待に応えない自分を探していたんですね。


Skaai 本当に誰の期待もない状態で、自分が作りたいものを作ってるヤツが、一番カッコいいと思い込んでて。それが一番カッコいい状態であれば、今の自分は絶対にカッコ悪いなと思って。それで一回、作るのをやめました。本当、パソコンも開いてなかったです。何ヶ月もそういう状態で。1年間作らずに、それを経て、シングルを1曲出したんですけど、それも大事な曲で。それで、年末年始になった時に、「うわ、年が変わっちゃったわ」、「1月は何をしよう? 今年は何をしよう?」ってなって、「EP アルバム ツアー」という3文字だけを、1月1日にストーリーでバーンと出して。言ったからには有言実行しなくちゃってなったんですね。


SiiiCK でも結局、音楽に身を委ねたことで、そこから始まりましたよね。


Skaai 本当、仲間に救われましたね。俺はこれまで仲間はいたとしても、本気で仲間だと思ったことがなかったかもしれないと思いました。でも、今はみんながSkaaiだなって。アルバムを一緒に作ったメンバーは、Skaaiのバックバンドじゃなくて、こいつら全員でSkaaiという感じなんですよ。曲も一緒に作ったし、ライヴも一緒にやるし、戦略も一緒に考えるし。そうなるとさすがにファミリーだし、仲間だなと思って。ヒップホップのリリックでも、仲間と一緒に上に上がるようなリリックって多いじゃないですか。今はそのリリックの本質を理解してますね。


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アルバム『Gnarly』


SiiiCK アルバム『Gnarly』では、今話したような音楽に対する思いとか葛藤も、けっこうリリックにしていますよね。


Skaai 「Sign」という曲は、かなり絞り出した言葉というか。


SiiiCK 本当の素の奥にある自分を歌っている感じがしました。


Skaai 飾りたくもないし、自分の中で矛盾してるようなことでも、すべて言おうと思って。自分の中で何歳になっても大事だと思う言葉、座右の銘みたいな言葉を、ストンストンと落としていくような曲なんです。


SiiiCK 孤独の中で葛藤している感じがスゴく伝わってきました。


Skaai やっぱり孤独な瞬間は多いです。バンドとは言っても、言葉を操るのは自分だけなので。どういう言葉を出すかというのは、自分でしかコントロールできないんです。言葉ってピュアだから、アレンジが不可能なものじゃないですか。だから孤独ではありました。制作もみんなとは別室で言葉を考えるし、どれだけ仲間がいたとしても、言葉を発するのは自分だけだから。


SiiiCK あの曲はジャンルも超えていて、音楽的にも面白いものになりましたね。


Skaai 作り上がった時に、これは歌謡なんじゃないかって。人によっては長渕剛って呼ばれたこともあります。でも、そういうブルースというか、嘆きがあって……


SiiiCK ブルースですね。ギターも泣いているし。


Skaai 本当にブルース・ギタリストを呼んだんですよ。自分の原体験に基づいた言葉だから、どんなブルース・ギターでもいいわけではなくて。ちゃんと言わなきゃと思って、コンセプトを伝えましたね。時代を作ったブルース・ギタリストで、地位と名声をものにしたギタリストがいたとして、でも人としてはスゴいクズで、親からも勘当されて、家族も離れて、糖尿病で来年指が使えなくなったようなヤツのギターを弾いてくれって。そういう感じで伝えた気がします。


Skaai - Sign


SiiiCK もう1曲、「how do you feel?」もビートなしの歌の曲ですね。


Skaai 「how do you feel?」に関しては、戦略とかはないです。お酒をいっぱい飲んで、みんなでスタジオに集まって、その時に作った曲です。1時間ぐらいで出来たんじゃないですかね。


SiiiCK 「Your techno (feat. 寺久保伶矢)」という曲もありますが、ジャジーな曲で「Im in love with your techno」というのは、どういうことなのかなと思って。


Skaai 「Your techno」は、トランペッターの寺久保伶矢が参加してて。テクノではないんですけど、僕はテクノが好きなので。「あなたのテクノが好きだ」って言う時は、「おまえのことが好きだ」という意味で。サビも「Im in love with your techno/That means I love you so much」で、「あなたのことが好きです」というのを別の表現で言ってるだけなんです。


SiiiCK アルバム・タイトルの『Gnarly』ですが、この言葉はカリフォルニアのサーファー、スケーターがよく使う言葉ですよね。この言葉を使うのも面白いなと思って。


Skaai 元々好きな言葉なんですよ。「G」を発音しないのも好きだし、言葉の響きも好きだし。ここだと思って、『Gnarly』にしました。


SiiiCK タイトル曲の「Gnarly」にも、独特なリリシストぶりが出ていますよね。「青臭くて品がないライムは一回きり すぐ廃棄/今は咲かない桜 桃色のCoffee/炎天下にかまされ韻がでない凡人」とか、スゴい言葉が出ていますね。


Skaai いや、こんなことしか言えないですね。


SiiiCK そこから次のヴァースでは、新境地にいることも歌っていますよね。アルバム1曲目らしい感じもしました。


Skaai 行進をイメージして作りました。アーティストとしての震えとかを行進に例えて、一定のリズムで淡々とやる。イントロも鬼長いし、時代とは逆行してるんだけど、1曲目にそういうのを持ってきました。


Skaai - Gnarly


SiiiCK アルバムのラスト曲がすでにリリースしている「MILLION」ですが、「MILLION」では、「もうミリオンセールじゃなくてもいいし」というリリックが注目されていますが、「俺が今歩くのは/音が鳴るほうだ」というリリックが耳に残るんですよね。ここで今一度、音楽に対する決意を最後に歌っているなと思いました。


Skaai マジでそうですね。「MILLION」に関しては、正直、どうにでもなれっていう、投げやりな感情を出しました。最後はそれでいいだろうっていう。考え疲れたので。


Skaai - MILLION


SiiiCK 「Runaway」も気になる曲ですが、2ndヴァースでは歌も歌っているのですか? 理屈ではない世界に行ってる感じがしたし、勝手にディアンジェロ感も感じたんです。


Skaai うれしいですね。このアルバムを出すに当たって、途中でディアンジェロが亡くなったのはスゴく大きくて。ディアンジェロに影響を受けてる曲が、「Runaway」と「Your techno」なので。思うところはありましたね。


SiiiCK ディアンジェロは天才だし、感覚で行った人だと思うから。さっきの話に戻りますが、やっぱりそこなんですね。


Skaai そうですね。感性100%で生きてるヤツ、マジで理屈抜きで音楽を楽しんで、どんな状態でも「俺は音楽ができて幸せだ」って言ってるヤツを、俺は憧れ続けると思います。ディアンジェロもそうだし、うちのギタリストもギターが弾ければそれでいいっていうヤツなので。そこに俺は心底惚れてる感じです。


Skaai - Runaway


SiiiCK アルバムを通して、背景に会話が入っていますよね。


Skaai あれは同居人のAlexとの会話ですね。Alexもシンガーソングライター、プロデューサーとして、EPを用意してた段階だったんです。二人は性格が似てるところもあって、よくディープな話をするんですよ。Alexとの会話に支えられてた部分が大きかったので、アルバムには絶対に入れようと思って。「Alex Interlude」っていうインタールードも、Alexがベースを作った曲なんです。この2年間はyuyaとAlexに支えてもらった部分が大きかったので、このアルバムに参加してもらわないとダメだと思ったんです。


SiiiCK このアルバムを作ったことで、スッキリしました?


Skaai スッキリは一旦してます。


SiiiCK でも、これで始まりましたね。


Skaai 何か違う物語が始まったのかもとは思ってます。これまで想像してなかったようなことが起きるんだという、本当に新章に突入という感じではあります。アルバムを出すってこういうことなのかもと思いました。


SiiiCK 最後に聞きたいのですが、目指すもの、音楽の意味は変わりましたか?


Skaai 音楽の意味は変わらないです。自分の現在地を表現し続けることでしかないなと思ってて。ただ、誰に届けたいかが変わってきたのかな。あと、ステージはいろいろ勉強して観たいなと思って。デカいステージもそうだし、海外でのステージもそうで。もっと音楽を通して世界を見たいなと思ってます。それでまた培って、その時にグレードアップした2ndアルバムを作れたらいいなと思います。あと僕は結局、日本のシーンに還元もしたいので。どれだけ自分が有名になったとしても、日本の人から認知がなかったら、それは意味のないことだと思うんです。でも、自分のやってる音楽って、メジャーの音楽ではないと思ってて。今はオルタナティヴ・シーンが水面下で、寺久保伶矢もそうだし、いろんなアーティストがいて。それぞれ自分のシマを作って、頑張ろうとしていて。そういうヤツらって何かスゴい絆があって、シーンがあるんですよね。それをどう盛り上げるかということも考えたいなと思ってます。



『Gnarly』

(FR WIFI)

2025年12月3日リリース

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Tracklist:

1. Gnarly

2. Tambourine man

3. FR WIFI

4. Runaway

5. Your techno (feat. 寺久保伶矢)

6. Sign

7. Alex Interlude

8. Am I sick?

9. Keity 141

10. Namima (feat. 岩崎桃子)

11. how do you feel?

12. MILLION


https://linkco.re/dFzE0cCv



『Skaai ONE MAN LIVE Gnarly』

2026年1月31日(土)

OPEN 18:00 / START 19:00

会場:東京・渋谷 Spotify O-EAST

料金:ADV. ¥5,500(1D代別途)


INFO:HOT STUFF PROMOTION 

050-5211-6077



Instagram: @skaai_theprof

X: @skaai_theprof



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