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【COVER STORY】 FANI 『Out the 貧乏』で熱い注目を集める京都の新進気鋭ラッパー。自宅兼スタジオを訪ねての初インタビュー

貧乏で過酷な家庭環境から生まれた1stアルバム『Out the 貧乏』を3月29日にリリースし、それをきっかけに3月いっぱいでアルバイトを辞めたというFANI。


4月4日には未来に向けての決意をぶつけた新曲「こっから」をリリースし、その勢いは止まらない。貧乏さえもポジティヴに変えてしまうストレートなリリック、数多くのパンチライン、ピュアなキャラクター、クオリティの高いMV……FANIの魅力を上げたら切りがない。京都にあるFANIの自宅兼スタジオを訪ね、制作環境を見せてもらいながら、いろいろな話を聞かせてもらった。



ヒップホップとの出会い、幻のアルバム


SiiiCK どれだけ貧乏なんでしょうか?


FANI 別に大したことないですけど(笑)。「人生最高」の2ヴァース目に、「ゲームできなくて帰ったゴンチ」っていうフレーズがあるんですけど、ゲームが大好きで有名なゴンチってヤツがいて。ゴンチは僕の家にゲームしに来てくれて、プレステ2でドラゴンボールのゲームをしようとしたら、つかなくて。ブレーカーを見に行ったら上がってるんですよ。電気が止まってる系やなと思って、「ゴメン、今日はゲームができへん日やわ」って話したら、ゴンチは帰って。その時はスゴく悲しかったですね。あとは、冬の寒い日にガスストーブが点かないこともありました。でも、そんなんは普通かなと思ってるんで。


SiiiCK 親の代から貧乏ですか?


FANI そんなことはないと思います。みんな大体貧乏ですし、お父さんもいないですけど、別に普通なんかなと思ってました。「みんななんでかいないお父さん/僕はラッキー二人いるんだ」と歌ってるのも、僕は普通にファミレスで、「おまえらお父さんいいひんやん。俺二人いんねん」って笑い話で話してた感じで。それをそのまま歌にしただけなんです。


SiiiCK リリックに、「家族みんなで行こうとしたユニバ/駅について帰った長男/地球儀の前で次男が喧嘩/止めに来たおかんそのまま蹴った/幸せな場所でみんな怒ってた/目の前まで来て行かずに帰った」とありますが、これは悲しいエピソードですね。


FANI 僕が小学校6年生、真ん中の兄貴が中学校3年生、長男が18歳の時で。僕は中学校に入学で、兄貴は高校に行かへんけど16歳になって、長男は工場の住み込みの仕事に行くのが決まってて。最後やし、家族みんなでユニバに行っとこかってなったんです。長男はギャル男の世代で、サーフ系の金髪で、外ハネやったんですけど、ユニバの駅に着いて、トイレしに行った時にベルトがちぎれたんですよ。ギャル男やし、見た目が命やから、「ユニバなんて行ってられるか」ってブチギレて、一人で帰っていったんです。それでも、しゃあないし、せっかく来たから行こうぜって言って。オカンと血のつながっていないお父さんがチケットをが買いに行ってる間、僕たち兄弟は暇なんで、地球儀のあたりで、乾燥したウッドチップみたいなものを蹴って遊んでたんですよ。それがコワモテのオラオラ系のおっちゃんに当たって、おっちゃんが振り向いて。真ん中の兄貴はヤンキーでツッパってて、腰パン全開で眉毛もない、そんな感じやったんで、謝りもせず。言い合いになって、気づいたらつかみ合いになってたんです。そのタイミングで「何してんの」って、オカンんが仲介しに入ってきて。兄貴もイラついてたんでしょうね。勢いでオカンを蹴ったんです。それに対して、オトンが怒って、四つ巴みたいになって。結局、ユニバに行かずに帰りましたね。


SiiiCK ヒップホップとの出会いは何が最初でしたか?


FANI 小学校4年生の時に、兄貴が中学校に行き出して、ヒップホップを聴くようになって。その時、隣の兄貴の部屋の襖に耳を澄まして聴いたのが初めてですね。自分でも好きになって、ヒップホップはそういうことなんやって理解できたタイミングは、高校3年生の時で。窪塚洋介さんがめちゃくちゃ好きで、2002年に公開された映画『凶気の桜』を見つけた時に、サウンドトラックがキングギドラのK DUB SHINE監修みたいな感じで。「何やこの音楽は?」ってなったんです。そっから次は、TSUTAYAでキングギドラを借りましたね。


SiiiCK 自分でもラップをやってみたいと思ったきっかけは?


FANI 19歳ぐらいの時、短期大学に通ってたんですけど、周りのみんなは就職やってなって。僕は最初、保育士を目指してて、資格も取ったんですけど、就職するのはなあ……とか思いながら、遊んで、暮らしてて。ライヴを観に行ったイベントのマイクパフォーマンスで、「俺らも初めはそっち側やったけど、今はもうこっち側やから」みたいなことを歌ったんですよ。そこで「俺でもいけるんちゃん」と思って、始めようと思いました。


SiiiCK そこから今に至るまでは、どのような道のりだったんですか?


FANI 4年前に一度仕事を辞めて、音楽で行こうと思って。とりあえずアルバムを出そうと思って、よくわからないまま、ここの環境でレコーディングしたものを、勢いのまま、ミックス、マスタリングとかの概念を無視して配信したんですよ。『FANNY FANNY FANI2』という形で出したんですけど、1と2が同時に出来て。僕的には1よりも2の方が好きやったんで、2を出して。1、2、3、4まで、ジャケットのイメージまでして、5はアルバムに入れてない曲で作ろうかなとか考えてたんです。


SiiiCK その1~5のアルバムと『Out the貧乏』とは、違う流れにあるんですか?


FANI 全然違いますね。今回のアルバムはしっかりテーマを自分の中で決めてて。ここ何年間の人生が全部わかるような曲にしたかったんですよ。そのテーマに関係ない曲たちは入れてなくて。シングルで配信してる「地獄」と「sukisukisuki」は、『Out the貧乏』のストーリーとは別に関係なく、勝手に生まれた曲やったんで、アルバムには入れなかったですね。『Out the貧乏』の曲たちはがっつり貧乏から抜け出すストーリーにしてやってます。

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京都にあるFANIの自宅兼スタジオ



貧乏なエピソードでも結局はポジティヴ


SiiiCK 素晴らしいと思ったのは、どんなに貧乏なエピソードが歌われていても、最終的にはポジティヴなんですよね。


FANI そんなこともないと思うんですけどね。よくヤラレるんですけど、立ち直るのが早いんですかね。例えば落ち込んでいても誰かがチョコとかくれたら、もうそれだけでうれしくなるタイプなんで(笑)。簡単なんやと思います。あと、ネガティヴが悪いことだとは思ってなくて。そこから生まれる感情もあると思うんですよ。お父さんがいいひんことを話すにしても、「お父さんがいいひん」って言ったら、ネガティヴかもしれないですけど、「僕はラッキー二人いるんだ」って言ったら、ポジティヴになるので。普通に言うよりも、面白く、自分らしく、自分の表現でしたいなと思ったら、ああいう形になったんです。そう考えると、大体のリリックはポジティヴなのかもしれないですね。あとは、誰かに何かしらの作用を与えたいと思ってて。この曲では力になりたいとか、この曲では楽しんでもらいたいとか。「奥歯痛い保険証ない」は何のために作ったのかもわからないですけど(笑)、それでも楽しんでくれる人もいるんです。そういう良い作用を何かしらで持てたらいいなと思いながら、ずっと曲は作ってますね。


SiiiCK 聴き手のことは意識しているんですね。


FANI リリックを書く時はそのままなんで、あまり気にしてはないですけど、自分が言った言葉がどういう伝わり方をしてるのかは、普段から意識してますね。僕自身はポップな人間やと思うんですけど、エピソードとビート次第ではダークでドープな感じにも見せれると思ってて。どうせヒップホップをやるんやったら、そういう一面を映し出したら、ポップだけじゃないっていうのも伝えられるんで。そういうのは面白いなと思いますね。


SiiiCK 「理想と現実」のリリックで、「恨んだ環境/全部ありがとう」、「当たり前はない全部が奇跡」と歌っているのも、スゴい境地に達していると思ったんですよ。


FANI いやいやいや。何なんでしょうね。死にたかったこともあったし、20歳の時に交通事故で病院に運ばれたこともあったんです。でも地獄だった時に、生きてるとか、ご飯を食べれるとか、誰かと会えるとか、そういう感じってやっぱり大事やなっていうのを、さらに再確認できたんです。そっからですかね。人として生まれ変わったというか。


SiiiCK Xの投稿で、「Out the貧乏 計画」というのをアップしましたよね。そこには、「3/29.00:00 アルバム配信開始、3/31 アルバイト卒業」とあって、最後に「4/1 自由#outthe貧乏」って書かれていたのが良かったです。


FANI それ以外に書くことがなかったんです(笑)。全部の予定を断って、僕は一旦自由になりたかったんですよ。何もない。明日のことを考えなくてもいい。それが幸せなんで。その状況になりたくて、予定を入れなかったんです。だから、書くとしたら「自由」でしたね。


SiiiCK アルバイトは15歳からやっていたんですよね。


FANI 気づいたら、15歳からこの前までずっとやってましたね。基本、バイトしてなかった時がなかったんで。もう働けるだけ働いちゃうんですよ。高校生で初めてバイトしたのが焼肉屋さんで。週に7回働けたんです。バイトは基本飲食店でしたね。


SiiiCK 仕事っぷりはどうでした?


同席していた友人 めちゃ声が出ますね(笑)。


FANI 女性が一人でも来れるような、白を基調とした、きれいな食堂だったんで、声の出し方が似つかわしくなかったですけど(笑)。


「Out the 貧乏」



自由の身になって始まったラッパー人生


SiiiCK 今、自由の身になってどうですか?


FANI 最高すぎて(笑)。恥ずかしいですけど、毎朝起きて、笑っちゃいますね。「今日も何もない!」と思って。でも、面白いことに、二度寝がいつでもできるようになったら、あんまり二度寝はしないんですよ。


SiiiCK 3月29日にアルバムを出して、4月4日には「こっから」をリリースしましたよね。自由の身になって、もう次のステージに向かっている印象を受けました。


FANI アルバムを出して、一発カマしたとは思ってなくて。こっからようやくラッパーとしてのスタートラインに立てたって思ったんです。そこで満足してる自分がいたとしたら嫌やなと思って。本当は4月1日に出したかったんですけど、間に合わなくて、4日になって。そういう焦りというか、不安というか、何にも満足してない自分なりの姿勢があって。「こっから」を出すタイミングは今やなと思ったんで出しましたね。


SiiiCK 「Out the貧乏 計画」があって、アルバムを出して、自由の身になって、「こっから」を出したので、ラッパー人生がいよいよスタートしたわけですね。


FANI その通りです。ラッパーになって13日目ですね(注:取材したのは4月13日)。アルバイトしてるラッパーたちに、「これがラッパーやねんで」っていうのを教えたいぐらい幸せですね(笑)。『Out the貧乏』の時は貧乏から抜け出すぞっていう気持ちが強かったんですけど、力が抜けて、むしろ自分らしいものができるんじゃないかなと思いながら、今はゆるくやってますね。


SiiiCK 『Out the貧乏』の反響はすでにスゴいことになっていますが、自分ではどう感じています?


FANI 僕はぶちかますつもりでやったんですけど、実際にどうなるかはわかってなくて。まだ2週間ぐらいしか経ってないですけど、スゴいですね。一気に知ってくれる人が増えた印象があります。昨日もたまたま街ですれ違った人に、「FANIや」って言われたんですよ。それがスゴいことなんやなっていうのは痛感してますね。「もう京都の木屋町をこの丸坊主のスタイルじゃ歩けへん。帽子をかぶってないと歩けへん」っていうのをイメージしてるんですけど。


SiiiCK MVもカッコいいんですよね。アイデアを映像チームと一緒に考えたりするんですか?


FANI そこはおまかせしてますね。そこは個性のぶつかり合いをしたいというか。僕というヤツを使って、どういう発想で面白いことを考えてくれるのか。僕も一応提案はするんですけど、僕にはない考えを思いついてやってくれてはる方が、作品を作る感じになるのかなとは思うんで。「人生最高」で鳩の頭をくわえてるシーンも、「家に鳩があったんすよ。FANIくん、たぶん行けるでしょ」とか言って、持ってきてはって。「これ食べれんちゃん?」、「うわあ、キモ~」とか言って、みんなで爆笑して。それをそのまま使わはっただけで。たまたまなんですよ。


SiiiCK 一方で、菩薩みたいな顔をしてお茶を飲んでいるシーンもありますよね。さっきの達観したリリックとシンクロしたりもしたんですけど。


FANI ソファーの上でいつも通りの光景を見せた方が面白いんじゃないかっていうので、お茶を普通に湯呑みで飲むっていうのを提案しました。


SiiiCK お茶が好きなんですね。


FANI まったりしたいんですよね。自分は何をするにもマイペースで、遅いんですよ。貧乏暇なしで時間が決まってる中だと、お茶を飲んでほっと一息ついてる時がスゴい幸せになれるんです。サウナも好きやし、サウナから上がってストレッチするのもそうやし、ご飯もそうやし、友達としゃべるのもそうやし、一服するのもそうやし、音楽聴いてるだけでも、大体最高なんですよね。

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ここから先のプランと夢


SiiiCK ここから先のプランは?


FANI スターダムへの道って、早ければ早いほど僕はカッコいいと思ってるんで。そこを目指しながら、勢いをそのままに、行けるところまで行きたいなと思ってますね。


SiiiCK ライヴのオファーはけっこう来ていますか? 5月5日には新宿ZEROTOKYOで行われる『宴 -EN-』に出演しますよね。


FANI ライヴのオファーはちょこちょこいただいてるので、うれしいですね。僕はやってきたことしかできないので、今まで小さい箱でやってきたことが間違ってなかったと証明する舞台になったらいいなと思ってます。


SiiiCK 地元のBAR SOUL SCRAMBLEでレギュラーでライヴをやってきたんですよね。


FANI そうなんですよ。ライヴ自体はけっこうしてきたつもりなんですけど、全然まだ足りてなくて。ビールケースの上に立ってライヴとかしてたんで、大きいステージのパフォーマンスは全くわからないんですよ。ZEROTOKYOは1000人入るって聞いたんですけど、その規模は初めてなんです。いつも通りやって、お客さんが楽しんでくれたらいいんですけどね。


SiiiCK 今までは地元でしかライヴをやっていなかったんですか?


FANI そうですね。ずっとバイトして、曲を作って、月に1回ライヴをして。発信自体そんなにしてなかったんですけど、それはそれでいいなとも思ってて。まずは地元から愛される存在にならないと意味ないなっていうのはずっと思ってますね。何かの拍子に東京でポーンと流行って、東京にライヴで呼ばれて、東京から帰ってきてあんまり歓迎されへんとかやったら、僕はスゴい悲しいなと思ってて。やっぱり地元の京都が一番盛り上がってるというのが、僕の憧れてるヒップホップの形やったんです。やっとミュージックビデオもいい感じに再生されて、そのタイミングやったんでアルバムを出して、アルバイトも卒業して、ここからはいろんなところでライヴをできるので、直にお客さんと会って、楽しいと思うことをやっていきたいですね。


SiiiCK 目標は成功していくことだと思いますが、どういう売れ方をしていきたいですか?


FANI 僕の思ってる感じはまだいらっしゃらないんで、デカい口を叩くのは大嫌いなんですけど。本気で戦うなら舞台はアメリカかなと思ってて。同じ音楽をやってるのに、日本でしか発信しないのか、アメリカに渡って発信するのか、それだけで全然規模が違うんですよ。それに、外国人で全然言葉もわからへんけど、会ったら仲良くなれるし、「おまえヤバいな。トラックもエグいやんけ」って言われたりもするんですよ。そういうのって、言葉とかじゃなくて、音楽の可能性として感じてますね。


SiiiCK 「夢がある」のリリックでも、「ノーベル賞グラミー賞」と歌ってますよね。


FANI 日本のヒップホップの人は手にしてないじゃないですか。みんな欲しがってると思うんですよ。なんで、僕もその中の一人っていうだけです。


SiiiCK この曲にはいろいろな夢がリリックに出てきますが、ここで歌えなかった夢はありますか?


FANI 面白くてインパクトのある夢だけを書こうと思って、わかりやすいものをあんだけ書いたんですよ。僕、夢が多すぎるし、夢やと思ってなかったことが起こったりする人生なんで、大体が夢なんですよ。明日も無事に目が覚めて、生きてることが、まず一つの夢じゃないですか。小さい夢もデカい夢もめっちゃあるんで、本気で思ったことだけを口にして、あとは思い描いてるだけなんです。


SiiiCK 次のリリースはどういうことを考えていますか?


FANI 今は曲をいっぱい溜めて、絞っていくことを考えてますね。2作目っていうのは、ある程度こういう人、こういう感じの曲ねっていうのがわかってもらった上で出すので、1作目以上の期待があると思うんですよ。本当はズバズバって出した方が、「こいつエグいやん」ってなると思ったんですけど、今1000人しかいいひん人たちに2作目をぶつけるのか、何ヶ月も溜めて何万人かにぶつけるのか、どっちの方がいいのかを考えた結果、今はじっくりと良いものを作っていこうってなりましたね。

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部屋の奥にあるレコーディング環境



FANIが目指すスーパースター像


SiiiCK 長い目で見て、こうなっていきたいというのはありますか?


FANI ヒップホップ好き、音楽好きだけが知ってるスーパースターを僕は求めてないんです。タモリさんって、歩いてたらわかるわけじゃないですか。大谷翔平にしてもそうじゃないですか。そういう人が僕はスーパースターやと思ってるんで。そのぐらいまで行きたいですね。僕もこの頭でこの格好やったら歩けないよってなりたいです。死ぬまでに僕がそうなれる可能性はありますしね。


SiiiCK 奥歯は治しました?


FANI 奥歯は何年も治ってないけど、治しますよ。「奥歯痛い保険証ない」は、歯が痛いけど曲を作らなあかんっていう、アルバム制作期間にあのビートを聴いたから出来た曲なんです。そういうのも運命やと思ってて。歯が痛くてうなだれてる状況じゃなかったら、あのビートであのリリックはたぶん出てきてないですよ。


SiiiCK 曲の作り方はそういうのが多いんですか?


FANI ビートを聴いたり、その時の感情をリリックにして、後からビートを聴いて、「あ、これやん」ってなるヤツもありますね。そういう瞬間的な運命を信じて作ってます。


SiiiCK 「Out the 貧乏」にしても、あのビートだったら、リリックはセルフボースティングになりそうですけど、貧乏の歌になりましたからね。


FANI 何であれを思いついたのかわからないですけど。


SiiiCK 仕事を辞めてから作った曲についても聞きたいのですが、話せる範囲で話してもらえますか?


FANI 東京に行って、東京って天国やなって思った時に出来た「天国東京」という曲があります。僕自身は貧乏でお金がないんですけど、お金を持ってたら天国の街なんやなって思って。自分自身が貧乏まっただ中やから、貧乏なことばっかりがテーマになったんですけど、生活が変われば見ること、思うことが全部変わると思うんで。お金を持ったら全部使える男になりたいです(笑)。でも使いきれないくらい稼ぐのが目標なんで。


SiiiCK 今日取材に伺っているこの場所についても聞きたいのですが、ここは自宅兼スタジオになりますか?


FANI ここは5年前にスタジオのつもりで借りて、その時は実家に住んでたんですけど、結局こっちにずっと来るようになって。気づいたら一人暮らししてますね。ヒップホップをやってるのに実家って、なしやなと思って。それに、僕は毎日誰かが来てくれる方が楽しいんで、基本的にいつでもウェルカムな感じにしてます。ミュージックビデオも大体ここで撮りましたね。


SiiiCK 部屋の奥にはマイクがあって、レコーディングできる環境になっていますよね。


FANI ここのマンションは芸術大学が近くて、元々音を出してもいいところなんですよ。初めは吹き抜けでレコーディングしてたんですけど、半年前に「人生最高」をレコーディングしに行ったスタジオで、家でレコーディングしたものをプロの人に聴いてもらって。その時に、音をもっとデッドにした方がいいって言われたんです。その人のスタジオにも行かしてもらったんですけど、その人も試行錯誤してはったんで。何か僕なりにできひんかなと思って。まず部屋を半分にして、防音シートを貼って、ちょっと反響をなくして。突っ張り棒を買いに行って、家にあった毛布をぶら下げて。マイクの周りの音も殺したくて。バスタオル1枚と小さいタオル2枚を前と横に覆い被せて、自分の声だけをレコーディングできるようにしてます。スゴい狭いんですけど、スペースは別に要らなくて。自分のできることの中で楽しんでやってますね。もっとこうしたいとかいろいろあるんですけど、現状に文句を言ってやらないよりも、現状の文句を歌詞にすら落とし込んで、表現することをやりたいんで。


SiiiCK もうすぐ隣の部屋を借りて、そこをスタジオ専用の部屋にするんですよね。


FANI そうなんですよ。うれしいですね。これは夢なんですけど、このマンションの部屋をどんどん押さえていって、全部占領したいんです。まずは隣をスタジオにして、もっとお金を稼いだ時に、ベッドだけを置く部屋を僕は作りたくて。それまではベッドを我慢して、今はまだずっとソファーのままです。

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「人生最高」


「奥歯痛い保険証ない」



1stアルバム『Out the 貧乏』

3⽉29⽇配信リリース

配信リンク:https://linkco.re/FzCt49cT


Tracklist:

01. Out the 貧乏

02. いま

03. push

04. 奥歯痛い保険証ない

05. 底辺

06. 燃料

07. CM1

08. 自分次第

09. 人生最高

10. 理想と現実

11. 繰り返し

12. 週末のFANI

13. 今が一番

14. CM2

15. できるできる

16. Na nanana

17. 夢がある

18. CM3

19. I wanna be a


「こっから」

4⽉4⽇配信リリース

配信リンク:https://linkco.re/BRcXyEgZ


Instagram: @orega__fani

YouTube: https://www.youtube.com/channel/UCkOKrS7k3ez6R4fAUU_HVzw


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