2026年1月14日、冬晴れの夜のZepp Hanedaにて、“日本一のDIYロックバンド”と呼び声の高いオルタナティブロックバンド・NOISEMAKERのワンマンライブ「NOISEMAKER presents. NOISEMANIA PREMIUM “Sync”」が開催された。この公演は、2025年7月から開催していた全国ツアー・NOISEMAKER presents. 「NOISEMANIA SONIC HISTORY」の集大成となるもので、本ツアーで築いた軌跡を経たイベント。“Sync”をテーマに、これまでのNOISEMANIAの歴史が集約、その瞬間全てが“シンクロ”する一夜となった。

開場するや否や客席はすぐにグッズを身に纏った人で塗れた。平日水曜日とは思えない熱量、最初の1音を今か今かと待ち侘びる観客の熱気は1月の寒気を寸分も感じさせない。
開始を知らせるカウントダウンが始まると、それに合わせてフロアからもコールが聞こえる。0(ゼロ)になると4つの人影—本日の主役が登場、階段を降りてそれぞれの位置につく。AG(Vo.)が「Zepp!!!」と叫ぶとそれに呼応するように雄叫びが降り注ぐ。大歓声の中、1曲目「Something New」で火蓋が落とされた。
冒頭から、飛ぶわ叫ぶわ手拍子するわで熱気に満ちるフロアにAGが自ら飛び込んでいく。フロアに揉まれる彼の姿に、ここから始まる夜の“Sync”がどれだけ濃いものになるかを早々に見せつけられた。
その勢いのまま2曲目「Change My Life」へ。サビでは“Change My Life”、後半には“No more”の大合唱。オーディエンスひとりひとりがステージに立つ4人に掌を見せて歌っている景色は圧巻だった。AGが「飛ばせ!」と放ち、徐々にフロアが作り上げられていく。
公演はまだ始まったばかりだが、これでもかと攻めて捲し立てるNOISEMAKERの4人を迎え撃つように盛り上がって構えるフロアは早くも一体感に包まれている。
“Just one life”の大合唱が響いた3曲目「THIS IS ME」から本公演初めてのMCパートに移る。
AGは平日ど真ん中の水曜日とは思えないフロアの密度、オーディエンスの熱量、歓声を肌身に感じたようで「ありがとうございます」と開口一番に伝えながら、「新年一発目でも今年一アツい景色を見せて」とフロアを鼓舞し、次のパートへ進んでいく。

6曲目には、今回のツアーのコンセプトでもある“Sync”シリーズから第3弾「NORTH WIND (feat. GEN / CVLTE)」を披露。直前の煽り映像が流れるとフロアからは待ってましたと言わんばかりの歓声があがる。2番に差し掛かる頃にHIKAGEからGEN、CVLTEからaviel kaeiが登場すると、6曲目にしてボルテージは急上昇。
2人を送り出すとAGは先ず「最高です。ありがとうございます。」とオーディエンスに伝える。続けて、「北海道から世界へ、北海道から日本中へ、北海道からあなたたちの目の前へ。(北海道のバンドは)みんなそういう気持ちです。」と、同郷のGENやaviel kaei、そして地元・北海道から音楽を鳴らす仲間たちが抱いているであろう想いを代弁した。


続く7曲目「MAJOR-MINOR」では、HIDE(Gt)がセンターでギターを鳴らしてスタート。クラップから始まり、曲中ではフロアはモッシュ&ダイブの応酬。AGが叫ぶとそれに呼応するフロア。“攻め”のNOISEMAKERがここに光っていた。
「進め前へ!行くぞ!」と投げかけて始まった9曲目「MAE」のパフォーマンスが終わると、フロアからは「今日もかっこいいな!」という野次も飛んでいた。ライブもちょうど折り返しにして“チームNOISEMAKER”感とも言える雰囲気が出来上がりつつあった。
「最高です。ありがとうございます。」と始めた続くMCでは、「目一杯、自分のバンドと自分の音楽に向き合ってるだけ」と言ったAG。ステージで流れている映像もギリギリまで制作したというが、「それはただのおまけみたいなもの。メインは自分達です」「めちゃめちゃイケてる音楽で、めちゃめちゃイケてるあなたたちと、めちゃめちゃ楽しみたいです」と続けオーディエンスを沸かせた。20年のキャリアで「Zeppでツアーファイナルをやることは夢だった」NOISEMAKERにとって本公演の時間そのものがまさに「贅沢」であると語り、「ご褒美だと思って楽しむからついてきて」と投げかけていた。
フロアも負けじと応戦する。10曲目「LAST FOREVER」では、タイトルでもある“LAST FOREVER”の大合唱が響き渡った。
続く11曲目では“Sync”シリーズより第1弾「Supernatural」を披露。ワンコーラスをAGが見事に歌い上げ、2番に差し掛かるとcoldrainからMasato(from coldrain)が登場。フロアはさらに盛り上がる。曲中ではステージとフロアが頭を揺らしてビートを身体に刻み込んでいく。オーディエンスとハイタッチを交わすMasatoの顔はなんとも言えない笑顔で、このステージを作り上げるアーティストたちをも楽しませるNOISEMAKERやオーディエンスのパワーを感じる1曲であった。

Masatoを送り出すと「まだ飛べる?バウンスできる?」とさらにフロアを煽るAG。12曲目「Pushing My Back」では「いくかZepp!」と捲し立てながら、どっしりと重たい音を全身で拡げていく。
激しいシークエンスが終わり、この公演で誰よりも4人を煽るオーディエンスを見つけては少しばかりコミュニケーションをはかるAG。「めっちゃ本気出せよ」とオーディエンスを鼓舞すると続けて「全員幸せになっちまえよ!」と叫んだ。
13曲目「Better Days」はNOISEMAKERの楽曲の中でも群を抜いた“ハッピーアンセム”といえよう。これまでの約1時間、激しくぶつかり合っていたステージとフロアが一気に多幸感に満ち溢れた。モニターにでる歌詞を全員で歌うシーンは見ものだ。この、楽曲のギャップがNOISEMAKERの魅力であり、幅広い人々を魅了している秘訣だろう。これだからNOISEMAKERはやめられない。
続く14曲目は“Sync”シリーズより第2弾「聲 (feat. Kj)」を披露。ハッピーに満ちたフロアはイントロから全員が手を仰いで大合唱。1番のサビでステージが明転、元の明るさに戻るとKj(from Dragon Ash)の姿が現れた。AGがフロアにダイブするとKjもそれに続く。「飛べ!飛べ!飛べ!」とKjがフロアを煽り最後は全員でまたも大合唱。オーディエンスは皆笑顔が輝いていた。
Kj(フロアにダイブした際にイヤモニを落とすというハプニングに見舞われたが、直後にフロアから見つかり無事にスタッフへ渡された)を見送ると、AGが感情のままに「Sync」って同期っていう意味なんですけど、間違いなくこっち(ステージとフロア)が同期してるって思う」とフロアを讃え、「最後には明るい気持ちしか残さねえからな!」と続けた。

15曲目「NAME」では、「愛してるぜZepp!」とAGが早々に叫んだ。曲の入りの英詞が、モニターには日本語訳されて映し出されていて、この歌詞の重さ、メッセージ性、熱がこれでもかと刺さった。曲中でステージでフロアが頭を揺らす様はまさにSyncそのものだ。
続くMCパート、「ありがとう」と感謝を丁寧に述べながらフロアに拍手を贈った。AGは人生で起こるあらゆる感情や事象を並べながらも、「綺麗な言葉を並べるよりも、立ってる姿が証拠だと思うので、この4人、NOISEMAKER、この先死ぬまで立ち続けるので、あなたたちもどうかしぶとく生きて、俺達に全力でついてきてください。お願いします。」と話した。自らを「北海道が生んだ奇跡、北海道が生んだ最高傑作」と讃えていたがまさにその通りだ。この約1時間半で何度も何度も感謝の意を示し、丁寧に言葉を紡ぎ、音楽を届けていくその姿勢は、誰もが憧れるそれである。
16曲目「To Live Is」では頭から「飛べ!」と煽っていたが、その優しい歌声に思わず涙腺が刺激された。「生きてるって奴、生きたいって奴、生きてて欲しいって奴、手を挙げてくれよ」とオーディエンスを優しく導いていく。「生きて生きて生き抜けよ!」「負けんじゃねえぞ!」と力強くフロアを奮い立たせ、「ありがとうございました!」とこのシークエンスを締め括った。

誰もがここで本公演が幕を下ろしたと思ったはずだ。
これまで、“Sync”シリーズの披露前に流れた煽り映像が流れ始める。ここで未発表の新曲で“Sync”シリーズ第4弾となる「KINTSUGI (feat. Koie)」を披露。早々にKoie(from Crossfaith)が登場、「俺の時が来たんだよお前ら!」と浴びせれば、フロアは余力を出し尽くそうと叫び、その拳をさらに高く挙げていく。さっきまで幸せに満ちたバイブスが会場の一体感を強くさせ、ボルテージはさらに上昇。新曲にもかかわらずとんでもない熱量でKoieのパフォーマンスを迎え撃っていた。
Koieを送り出すと、AGはこのツアーに関わった全ての人々に感謝と拍手を贈った。併せて、新年一発目のこの公演を作り上げた「あなたたち自身」にも拍手を贈った。

「ありがとうございました」と結ぶと最後の曲「Flag」を披露。「絶対に折れない旗」という想いを伝えると、フロアは呼応するようにイントロから大合唱。オーディエンスの瞳は皆煌めいていて、パワーを出し切る4人とオーディエンス、本公演一番の熱量と想いがこもった1曲だった。
最後の1音が鳴り止むとはち切れんばかりの拍手と歓声が沸き起こった。“Nステ”の階段を登ると4人は肩を組んで笑顔でステージを去った。モニターには“Sync”シリーズの4曲をBGMにエンドロールが流れ、オーディエンスは余韻に浸っていた。最後にツアーのロゴがでると記念に写真に収める人もいた。終始、拍手は鳴り止まなかった。
筆者は恥ずかしながら初めてNOISEMAKERのパフォーマンスを目の当たりにした。心が揺さぶられる、何にも変え難い熱量と愛情をたくさん受け取ることができた。大前提、AGのヴォーカルとしての表現力、発信力、テクニック、そのどれもが群を抜いていて、ビリビリと余韻がしばらく解けなかった。そしてHIDE(Gt)、YU-KI(Ba)、UTA(Dr)がどっしりと構えているこのバランスも堪らない。4人がスキルフルながら絶妙で巧妙なバランスを保っているからこそのこの圧巻のパフォーマンスなのだろう。“オルタナティブロック”というジャンルはまだまだ日本ではメジャーとは言えないが非常に技量を求められるジャンルと言えよう。シーンでは熱量も高く、繊細で緻密な音の玄人たちがこうして圧巻のパフォーマンスを魅せてくれている。いち音楽リスナーとして、ジャンルの未来が明るく感じた上で、さらにNOISEMAKERというバンドの未来が楽しみになった一夜だった。
NOISEMAKERはこれだからやめられない。さらなる活躍が楽しみだ。


Written by 高梁 渚
Photo by SHOTARO
X:@_SHOT_ROW_
instagram:@shot.row
【SET LIST】
M1. Something New
M2. Change My Life
M3. THIS IS ME
M4. One Dream One Roof
M5. EXIST
M6. NORTH WIND (feat. GEN / CVLTE)
M7. MAJOR-MINOR
M8. SADVENTURES
M9. MAE
M10. LAST FOREVER
M11. Supernatural (feat. Masato)
M12. Pushing My Back
M13. Better Days
M14. 聲 (feat. Kj)
M15. NAME
M16. To Live Is
M17. KINTSUGI (feat. Koie)※新曲
M18. Flag
【PROFILE】
札幌にて結成、AG(Vo)、HIDE(Gt)、YU-KI(Ba)、UTA(Dr)からなる4人組オルタナティブロックバンド。パンク、ロックに留まらず、HIPHOPやR&B、グランジ、オルタナなど様々なジャンルをクロスオーバーした自由度の高いサウンドに指示を集める。“ROCK×ART”を信念に掲げ、アートワーク、デザイン、サウンドメイクなど全てをセルフで行い、“日本一のDIYロックバンド”とも評されている。結成以来、「ROCK IN JAPAN FES」や「SUMMER SONIC」、「OZZFEST JAPAN」、「COUNTDOWN JAPAN」、「JOIN ALIVE」、「SATANIC CARNIVAL」など、全国各地の大型フェスに出演。シンガポールや台湾、中国ツアーやENTER SHIKARI、Hoobastankなど海外BIGアーティストのゲストアクトを務めるなど海外からの評価も高い。
JMS
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