ディストリビューションのRetribution Networkとリンクしながら、フレンドシップに軸足を置いて主催する大規模なライヴ・イベントである。BLOODAXEはニュースクール、NYハードコアのスタイルを受け継ぐバンドを軸に、様々なサブカテゴリーにも目を向けており、海外のバンド、日本のバンドともに、国境、世代、カテゴリーを超えた現行のバンドを一気に見ることができるイベントとなっている。BLOODAXEを主宰し、LOYAL TO THE GRAVEでヴォーカルも務めるKobaに、その背景や歴史から、2025年5月31日にCLUB CITTA’で行われるBLOODAXE FESTIVAL SPRING 2025まで、いろいろな話を聞いてみた。
BLOODAXE FESTIVALとは?
SiiiCK そもそものBLOODAXEの始まりとかアイデアはどんな感じだったのですか?
Koba 元STATE CRAFTで今はLOYAL TO THE GRAVEを一緒にやってる小浜さんが、永福町に住んでまして。’90年代後半にCD、レコードの通販を、BLOODAXE名義で始めたというのが始まりです。自分も大学を卒業して、上京して、STATE CRAFTのライヴに毎回通うようになって。小浜さんとSTATE CRAFTのメンバーから声をかけてもらうようになって。フレンドシップが深まっていって、プライベートでも遊ぶようになって。永福町にあった事務所に遊びに行かせてもらうようになったんです。そこは音源とかマーチの宝の山だったので、そこでいろいろ学ばせてもらった感じなんですよ。当時はまだ電話の注文がメインだったので、俺もたまに電話番をさせてもらったりもしました。小浜さんはバンドとディストロをやりながら、2000年にFall Silentというアメリカのバンドを呼んで。それが最初の海外のバンドの招聘になります。今考えるとスゴいですけど、手紙でやり取りをしてたんですよ。その時はSTATE CRAFTも出たし、自分がやってるBIRTHPLACEも全公演でやらせてもらって。大阪、豊橋と東京のCLUB251の2デイズでした。当時、STATE CRAFTとBIRTHPLACEが一緒に出ると、どこのライブハウスも満員になるような時代だったので、ツアーとしては大盛況で終えることができましたね。それをきっかけに、小浜さんがBLOODAXEのフェスをやろうという感じになって。自分も手伝わせてもらうようになりました。その後は2000年の冬だと思うんですけど、日本のバンドだけのフェスをやって。STATE CRAFTとBIRTHPLACEを中心に、At One Stroke、ENDZWECK、Ever Lastとかが出て、LOYAL TO THE GRAVEも出ました。当時はニュースクールだけで固めた方がお客さんも入ったんです。モッシュよりも、ステージの最前列4列系で、ダイブしても落ちないような感じで。それこそギターを持ってダイブしたりとか。Earth Crisisから影響を受けたと思うんですけど、そんな感じのライヴでした。
SiiiCK 今年でBLOODAXEは25周年になるんですね。
Koba そうなんですよ。ただその後、しばらく低迷時期が続くんです。それで2006年に、小浜さんがまたフェス名義でやろうという話をしてくれて。Crystal Lakeとか、ニュースクール・バンドもどんどん増えてきてたところだったんです。海外からは誰を呼ぼうかなという時に、イタリアのAbsenceというバンドを呼ぶ話だったんですけど、急に解散してしまって。どうしようってなった時に、そこのメンバーが新しく始めたxDestroy Babylonxというバンドを呼んだんです。
SiiiCK BLOODAXEをやり続けていく中で、当初から変わらない考え、信念みたいなものはありますか?
Koba 最初は単純に自分の観たいバンドを呼んで、日本に広めたいというのもありましたけど、日本のバンドが海外のバンドのオープニングアクトとして出ても、反応が冷たいというのが何十年も続いたんですよね。国内のバンド好きと海外のバンド好きが極端に分かれてたので。それは自分が出た時も嫌だと思うところでした。海外のバンド好きにも日本のバンドを知ってほしいし、 日本のバンドしか知らない人にも、海外にもいいバンドがいるのを知ってほしくて。それは今も変わらずありますね。それで、2007年にEarth Crisisがリユニオンをしたんですよ。自分はそれをどうしても観たくて、アメリカに行ったんです。その時のライヴは自分にとって初めてのデカい会場だったので、ライヴはもちろんでしたけど、フードが出たり、レーベルのマーチ・ブースとかが並んでたりするのを見て、スゴくワクワクしたのを今でも覚えてますね。ハードコアでこういうフェスみたいなものをやれるんだと思って。こんな感じでやってみたいなと考えるようになったのは、その時にアメリカで見たものの影響が大きいですね。
SiiiCK それを実際に形にしたのはいつのBLOODAXEですか?
Koba その時はすでに下北沢のERAでもソールドアウトするようになってたので、次は渋谷のclubasiaに移りました。そこでフードを出したりというのが少し実現するようになって。お客さんも徐々に増えていきましたね。clubasiaは2013年が最後で、パンパンで500人ぐらい入りました。そこでそろそろデカい会場でやりたいなと思ってたんですけど、当時は貸してくれる会場がなくて。しかも、モッシュとかダイブを容認してくれるような、1000人規模の会場がなかったんですよね。そんな時に、PUMP UP THE VOLUME FESTという、Alliance TraxのダイキとCosmic Note Records、ENDZWECKの宇宙がやってたフェスがCLUB CITTA’であって。LOYAL TO THE GRAVEでも何度かやらせてもらって、いい会場だなと思ってたんです。でもやはり空きがないと言われて。それが、2013年の夏が終わった翌月に、CLUB CITTA’の人から、3ヶ月後の2014年1月に使えるよと言われて。「3ヶ月か……準備どうしよう?」と思って。小浜さんとか周りの人たちも、ちょっと厳しいんじゃない?って言ってたんですよ。でも、これを逃したら次はないんじゃないかと思ったので、「やります」ということで、意を決して、日本のバンド、海外のバンドを当たって、集めて、2014年1月に初めてCLUB CITTA’でやらせてもらうことになったんです。
SiiiCK その時にブッキングした海外のバンドは?
Koba 今回も呼んでるCounterpartsで、その時が初来日でした。あとは、アメリカのWinds of Plagueで、LOYAL TO THE GRAVEとはスプリットも出しました。今人気の学ランを着てやるバンド、Rise of the Northstarも喜んで出てくれました。本当に仲の良いバンドにメールをしたんです。国内のバンドは、Crystal Lake、FOR A REASONとか、メロディック系にも人気のあるバンドも出てきたので、その辺も呼ばせてもらって。結果的に成功で、お客さんもけっこう入ってくれました。それで、CLUB CITTA’の人もいいねって言ってくれて。9月にも空けられるよという話になって。そこから毎年9月に開催するようになりましたね。
Counterparts「A Martyr Left Alive" / "No Lamb Was Lost」
思い出深かったショー
SiiiCK 25年やってきて、思い出深かったショーは?
Koba All Out Warというバンドがスゴく好きで。日本に呼びたくて、10年以上メールしてたんですよ。日本に最後に来たのは2000年とか、そういう感じだったんです。ただ、メールをしても最初は冷たくて、なかなか返事が返ってこなくて。一回アメリカに会いに行って、話をしたんです。そこでちょっと仲良くなってからは、頻繁にメールするようになって。でもヴォーカルのマイクが学校の先生で、なかなかスケジュールが合わないんです。他のメンバーも、俺らが日本に行っても盛り上がらないだろうみたいな感じで、あまり乗り気じゃなかったみたいで。それで、メンバー全員と仲良くなろうと思って、もう一回会いに行ったんですよ。彼らにお酒をおごったりして、「おまえ面白いな」ってなってくれて。盛り上がるのかどうかは半信半疑でしたけど、2018年にようやく来てくれたんですよね。今もそうですけど、ブッキングする時に、メールだけでもいいんですけど、やっぱり対面で会って話してナンボだなと思いましたね。ハードコアには人と人のつながりというか、ライフスタイル的な部分があると思うので。それを一番感じたのは、All Out Warのブッキングだったので、CLUB CITTA’で盛り上がったのを見た時は、泣きそうになりましたね。
All Out War 2019
SiiiCK 2018年はTurnstileも出ましたよね。
Koba そうなんですよ。今も印象深いのはその2バンドですね。All Out Warの後にTurnstileはどうかな?と思ってたら、それ以上の光景になったので。
SiiiCK あの日のTurnstileはスゴかったですね。
Koba ここは日本か?と思うくらい凄まじかったですね。All Out Warで感動した後に、さらに感動したのを覚えてます。Turnstile自身もこんなに日本でハードコアが盛り上がるのか?って感動してくれましたね。
Turnstile 2017
SiiiCK 僕はあの2018年の時点で、こんなに若い子たちがハードコアのショーに集まって、アメリカみたいにモッシュ、ダイブするんだ?!というイメージが強かったです。
Koba 確かにそうでしたね。あの年は大事なターニングポイントになったと思います。若い子たちがどんどん出てきて、世代交代が始まった年かもしれないです。あとは、その翌年のKnocked Looseもスゴかったです。ちょうど本国で爆発する前に呼ばせてもらってるので、ハードコアの名残りも残しつつ、一番勢いのある段階だったんです。Knocked Looseはその前の2018年1月に、オーストラリア経由で一回小さなツアーをやったんですよ。NINE SPICESとかANTIKNOCKでやったんですけど、アンテナの高いキッズが来てくれて。ANTIKNOCKはスゴく盛り上がりましたね。その時に良いバンドだなと思ったし、人間的にもスゴく好きになったので、自分はまたアメリカに行きまして。10日ぐらい一緒にツアーをさせてもらったんですよ。LAからオクラホマまで横断するようなツアーで。初めてアメリカの等身大のツアーを味合わせてもらいました。車中泊したり、現地のブッキング担当の家に泊まったり、Targetの洗面所で顔を洗って歯を磨いたりして。いい思い出です。

Knocked Loose 2019
SiiiCK Knocked Looseはその後もツアーで呼んでいますよね。
Koba そうです。今度来るSanctionというバンドと一緒のツアーでした。だから日本には3回来てるんですよ。その後、彼らはグラミー賞にノミネートされるくらい今はビッグバンドになったけど、メンバーみんなは出会った時と何らかわらぬ友達のままで、人間性も素晴らしいです。また日本でも見たいし、今後も突き進んでほしいですね。

LOYAL TO THE GRAVE 2024
BLOODAXE FESTIVAL SPRING 2025の見どころ
SiiiCK 今年5月31日に開催するBLOODAXE FESTIVAL SPRING 2025の見どころも聞きたいです。いろいろな世代、いろいろなスタイルのバンドが入っているバランス感が素晴らしいんですよね。
Koba 今は年に2回やってて、9月の方はハードコアというか、NYハードコア、ビートダウンといった、いかつめのメンツでやってますね。おかげさまで、今は海外の方からBLOODAXEに出たいというオファーをもらえるので、その中からピックアップさせてもらってる部分がありまして。ハードコア以外にも、自分は抒情的なバンドとかメタルコアのバンドとかも好きなんで、ちょっと嗜好を変えてやるのも面白いかなと思って。それで始めたのが5月のBLOODAXE FESTIVAL SPRINGなんですよ。現行のバンドもいつつ、その中にみんなにも知ってもらいたいレジェンドも一緒に呼びたいなと思ってて、今年はArkangelも呼んでまして。今回出るView From The Soyuzが、去年たまたまArkangelのカバーをしたんですよね。それがめちゃめちゃ盛り上がったので、本家が来たらスゴいんじゃないですかね。この日は他にも、Arkangelを崇拝してるGATES OF HOPELESSも出るし、オープニングで岡山のStainedも出るので、そこの絡みは最高になると思います。
SiiiCK 女性ヴォーカルのバンド、Dying Wishは初来日になるんですね。
Koba はい、初来日になりますね。日本でも話題になってるし、呼びたいなと思ってたら、こちらもオファーがきたので、タイミングバッチリだなと。Dying Wishもそうですし、そこに関連性もたせるように、Prompts、Otusといったメタルコアとか、C-GATEのようなメタルコア寄りのモッシュコアも入れてますね。メインのバンドがCounterpartsという叙情的なバンドで、そこにはSTRANDEDという自分のところからCDを出してる、叙情で今日本で一番旬なバンドも呼んで、絡んでもらいます。あと、大阪のReVERSE BOYZはみんなに観てほしいですね。ライヴ力たぎる華のあるスゴくいいライヴをするから、チッタのデカいステージ映えは間違いないかと。
SiiiCK テキサスのKublai Khan TXも出ますね。
Koba 去年キャンセルになってしまいまして。ヴォーカルの親父さんが闘病中で、どうしても離れられない状況だと。最初マネージメントからは詳しい理由は書かないでくれと言われてたので、バンドの事情でということでキャンセルを出したんですけど。でもヴォーカルが親父さんとの写真を上げて、理由を書いた長文のステートメントを出してくれたんですよね。それに対して世界中から反響があり、日本のファンもそれならしょうがないねと、みんな納得してくれたんで、彼からのアクションはありがたかったし、ナイスガイだなと。自分からもまた来てほしいと伝えました。今向こうでものスゴい人気で、多忙なバンドなんですけど、「優先的に行くから」って言ってくれて、今回もまたすぐに決まりましたね。ありがたいです。
SiiiCK BLOODAXEを通じて見えてくる今のハードコア・シーンはどうですか?
Koba NUMBとかLOYAL TO THE GRAVEのような、2000年代からやってるバンドもいますが、プラス、次世代のバンドがどんどん出てきてて。若い世代のお客さんが増えてますね。自分たち世代も、世代を超えて盛り上げようという気持ちで、若い世代をフックアップしてます。若い子たちもリスペクトしてくれてて、昔の曲でもYouTubeでディグって盛り上がってくれてますね。今は本当に世代もジャンルも関係なく盛り上がってる感じはあります。特にこの5月の方は、いろんなタイプのバンドが出るので、最近のシーンはどうなってるんだ?と思ってる人には、是非来てほしいですね。もちろんすべてを見れるわけではないですけど、現行のシーンは体験できると思うので。
SiiiCK それこそ最初に話に出た、国内外の違いとか、世代間の違いとかが、本当になくなってきましたよね。
Koba 自分の目指してた理想に近づいてるような感じは毎年ありますね。あとはこれをいかに続けていくか。そこが使命かなと思ってます。
SiiiCK あと、最近のBLOODAXEは海外から来るお客さんも多いですよね。
Koba 明らかに毎年増えてますね。毎回100人以上海外から来てますよ。アメリカはもちろん、ヨーロッパ、東南アジア、オーストラリアから毎年来てくれてて。BLOODAXEを中心に、1週間ぐらい日本の旅行を組んでるお客さんがけっこう多いんですよ。「9月もやるよね?」って、メールでの問い合わせもスゴく来ますね。ちょうどさっきも2人に返事を出したところです。今は日本のバンドが海外から注目されてるというのも、スゴく実感してます。日本のバンドが一気に観れるのもBLOODAXEなので、それで来てくれる人も多いです。
SiiiCK 最後に聞きたいのですが、ハードコアの良さって何でしょうか?
Koba やはりライヴにハードコアの良さはすべて詰まってると思いますね。バンドやお客さんともそうですけど、容易に世界中でつながることができたり、みんながステージでもフロアでもメインになれたり、誰にでも平等で素晴らしい、こんなジャンルって他にないと思うので。
BLOODAXE FESTIVAL SPRING 2025
2025.05.31(SAT) @CLUB CITTA’
COUNTERPARTS (from Canada) / KUBLAI KHAN TX (from USA) / LOYAL TO THE GRAVE / ARKANGEL (from Belgium) / NUMB / DYING WISH (from USA) / GATES OF HOPELESS / VIEW FROM THE SOYUZ / PROMPTS / OTUS / C-GATE / ReVERSE BOYZ / STRANDED / STAINED (OPENING ACT)
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BLOODAXE 公式STORE
https://bloodaxefest.thebase.in
プレイガイド e+[eplus.jp]
https://eplus.jp/sf/word/0000054707
通常チケット:Adv ¥9,700yen / Door ¥10,700
WEB限定Tシャツ、A2ポスター付き EXCLUSIVE SET:
Tシャツ ¥12,700(S~XL サイズ)、¥13,200(XXL&3XL サイズ)
ロンT ¥13,700(S~XL サイズ)、¥14,200(XXL&3XL サイズ)
Will Call for international customer
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