昨年2025年は、ジャマイカ人アーティストStalk Ashleyとの共作「Fading Away」をリリースし、そのリリースパーティをジャマイカ・キングストンで主催。そのままジャマイカには2ヶ月間滞在し、5ヶ所でライヴを行うとともに、楽曲の制作も進めていった。
VIGORMANがダンスホールという自身のルーツに向き合いながら、ジャマイカで得たインスピレーションを形にしていった楽曲は、帰国後にさらにブラッシュアップすることで、一枚のEPとして結実することになった。
プロデューサーには、ジャマイカ人プロデューサーGodfloww、在ジャマイカ日本人プロデューサーGacha Medz、変態紳士クラブの盟友GeG、謎のクリエイター集団Tsukuyomiなどが参加。客演は一切迎えずに、自身の表現と向き合ったという。
『PROLOGUE (Dancehall Wi Seh)』というタイトルが示す通り、このEPは「序章」を意味し、ダンスホールに特化した内容で、これまでのキャリアに安住することなく、VIGORMANの新たなチャプターの始まりを提示する意欲作となっている。
ちょうど取材日がVIGORMANがホストを務めたイベント「BASHMENT TOKYO」の2日前だったこともあり、二人組BASHMENT SOUNDの一人であるSilent Addyも、取材に同席してのインタビューとなった。
Photography: Ryusei Takano
3rdアルバム『DANCE』からの2年間
SiiiCK 3rdアルバム『DANCE』のリリースからちょうど2年経ちましたね。
VIGORMAN 『PROLOGUE (Dancehall Wi Seh)』は、3月半ばにはリリースできる状態まで仕上がってたんですけど、4月の1日がきれいかなと思って。年度が変わって一発目に出そうかなと思ったんですけど、エイプリルフールって嫌やなと思って(笑)。それで、『DANCE』をリリースしたのも4月3日やったんですよ。だからあと2日待てば、ちょうど丸2年っていう、そのストーリーも出来るので、2年後の4月3日にリリースしたんです。その日はちょうどPOP YOURSの1日目があって、タカ(WILYWNKA)が呼んでくれたんで、「YOKAZE」1曲歌いに行ったんですよ。「てめえの鰻はてめえで管理運営」って言う、SNSで出てくる鰻屋のおっちゃんがいるんですけど、それを俺は 「てめえのダンスホールはてめえで管理運営」みたいに言ってて(笑)。だからリリース日に出演したPOP YOURSでも、自分のEPの告知はしませんでした。2年前の『DANCE』のリリース後に一回と、去年もジャマイカに行って。その去年のジャマイカで2ヶ月滞在してる時に作った曲たちを、帰国してからブラッシュアップして、5曲詰め込んだEPなんですけど。何かいい感じに巡り合わせて、4月3日にリリースしましたね。
SiiiCK 2年前の『DANCE』の取材でスゴく覚えているのは、きつかった時期を乗り越えて、そこから抜け出して作れた喜びがあって、ファンの前で「音返し」を歌うことで、ひと区切りがつけたという話をしていたことですね。同じ時期に「大人が言う」をWILYWNKAと一緒にやったりもあって。その時の新たな始まりの感じが、いろんなことをリフレッシュするタイミングだったような気がするんですよ。
VIGORMAN いや、そうですね。2023年の4月に、世間を騒がしてしまって。ワンマンライヴをなんばhatchと WWW Xでする予定だったんですけど、それをどうしても中止にしたくなくて。ほとんどの周りの人は、赤字になる金額やライヴの準備期間のことも考えたら、中止にするしかないよって言ってたんですけど、遠方から来てくれる予定の人もいたやろなとか思ったら、どうしても中止にはしたくなくて。それならもう全員に返金した上で、30分だけ無料ライヴみたいな形で、みんなの前にそこで初めて立って。それこそ記者会見なんてする柄でもないし。やったら、歌と一緒にみんなに自分の気持ちを伝えたいなと思ったんですよ。ちょうど事件になる前に、2ndアルバムの『FULL COURSE』をリリースしてたんですけど、そこからまたプラスで追加した曲を入れて、20曲入りぐらいのデラックス版を出して。そこに「音返し」も入ってるし、その時の心境を「音返し」よりも具体的に歌った「Leave it to me…」も追加して。そのアルバムで一旦、自分の中では気持ちが落ち着いたんですよね。そのまま2024年を迎えて、気持ちをリフレッシュした状態で『DANCE』をリリースして。もう一回同じ場所、なんばhatchとWWW Xでワンマンを翌年にやれた時に、まあ自分の中で失った期間を取り戻せた感じはあって。そこから2025年、去年はそれこそStalk Ashleyっていうジャマイカ人のアーティストと一緒に曲を作りましたね。
SiiiCK 「Fading Away」ですね。
VIGORMAN その前にバンドセットで7ヶ所、ワンマンのツアーをやって。そのまま、そのリスニングパーティをキングストンで主催したんですよ。Stalk Ashleyと、今日偶然一緒に来てくれてるBASHMENT SOUNDのSilent Addyを呼んで、自分のイベントをやって。そこからジャマイカに2ヶ月滞在して、今回のEPの曲を作ったんですよ。ジャマイカには去年の6月の半ばから行ってて、7月後半に日本でライヴの予定が2個入ってたのでほんまは1ヶ月しかいれなくて。その予定でフライトのチケットも取ってたんですけど、日本でのライヴが、2個ともいろんな事情でイベントごとなくなって。「まだもうちょいおれんな」と思って、帰りのチケットを捨てて、もう1ヶ月延ばすことにしたんですよ。けど、ロングの3ヶ月のビザを取っていってなかったんで。向こうのパスポートセンターみたいなところに行って、ビザ延ばしたいと思って。申請してパスポートを預ける日と受け取る日で、5時間ずつぐらいセンターで待たなあかんかったんですけど(笑)。「理由、何て言おうかな」ってなって。「パスポートなくしたからどうしても帰れないんで、ビザ延ばしてください」とかいう理由もないからなと思ってたら、Reggae Sumfestというフェスがあって。Stalk Ashleyがそのフェスに出演してたんですよね。そこで俺も一緒にパフォーマンスさせてもらって、その後すぐに帰らなあかんぐらいやったんですけど、その前にイベントがバラシになることが決まって。もう俺の心の中では、余裕であと1ヶ月延泊したろうと思ったんです。それこそStalk Ashleyが出演した日の2日後が、ヴァイブス・カーテルが帰ってきて、Reggae Sumfestでライヴする日やったんで、カーテルも観れたんですよ。それで、受付のジャマイカ人の女の人に「何でオーバーステイしてんねん?」って言われたから、とりあえずまっすぐ言ったろうと思って。「Sumfest に行きたかった」、「カーテルが好きや」って言って。カーテルはGazaっていうクルーに入ってるんですけど、そのおばちゃんの目を見ながらGazaのハンドサインをしたら、フンって鼻で笑われて、バン!って半年のビザをゲットしたんですよ。通った!みたいな(笑)。
SiiiCK 熱いですね!(笑)
VIGORMAN それで結局、丸2ヶ月ちょいジャマイカに滞在しました。日本で出演予定やったイベントがバラシになって、別に帰ることもできたけど、航空券を捨てたおかげで、今回のEPの曲が出来たんです。

ジャマイカで過ごした経験
SiiiCK いい流れですね。
VIGORMAN そうなんですよ。その2ヶ月間の間、ずっとAddyの家に泊まらせてもらって。彼の家に自分で持っていった機材とマイクを置いて。EPの2曲目と4曲目のプロデューサーで、ジャマイカ人の友達のGodflowwを家に呼んで。ノリで目の前でビートを作ってもらいながら、ノリで曲を書いて。でも全部、完成までは持っていかずに、けっこう荒削りなまま帰国したんですよ。1ヴァース、1フックだけ書いた曲もあれば、最後の「晴れてるKingston」みたいに、サビだけ出来て、日本でヴァースを書いた曲もあって。帰国してから1年弱かけて、いろいろビートとフロウも作りました。今回、パトワ語を使ってる曲が多いんで、発音をジャマイカ人のヤツに聴き取れるようになりたいなと思って。何回も録り直して、録り直して、やっと4月にリリースできたという感じです。
SiiiCK 2年前に話した時は、ジャマイカで過ごした経験が自分の音楽の新しい道を開いたと話していたし、同時に、ジャマイカも含め、海外での音楽活動にもチャレンジしたいという話をしていましたよね。今回のジャマイカで新たにゲットできた部分、自分が音楽アーティストとして進化できた部分はありますか?
VIGORMAN Addyの「Shake It To The Max」という曲の日本リミックスを、JP THE WAVYくんと俺で、ヴァースを蹴った曲があるんですよ。公式にはリリースされてないですけど、その僕のヴァースをStalk Ashleyの周りのヤツらがみんな気に入ってくれて。それをライヴの時にキックしろみたいな感じで2ヶ月間の滞在中に4ヶ所でライヴをしてる中で呼んでもらって、その曲をキックしたんですよ。それで、ゲトーのイベントに出た時に、まだ売れてない地元のアーティストも前座で出てて。それを裏でボーッと見てたら、そいつが2~3回、同じところで詰まったんですよね。リリック飛んだのか、噛んだのかわからないですけど。そしたら客のおばちゃんに、マジでハイネケンの瓶を投げつけられてて。DJみたいなヤツがそいつの首根っこつかんで、ステージから引きずり下ろしたんですよ。「うわ、俺、この後ここで歌うんや」みたいな。でも、自分の主催のイベントで初めてジャマイカで歌ってから4回、Ashleyがライヴに呼んでもらったんですけど、3回目と4回目の時に、やっとちょっとコツをつかんでて。3回目のReggae Sumfestと4回目のゲトーのライヴでその会場をボスれたんですよ。ステージが終わって、そいつらの車に行く時にも、前とは違って全員しゃべりかけてくるんです。「Bad Japanese!」みたいな。おばはんとか、チンコ触ってくるみたいな(笑)。
SiiiCK 認められたわけですね。
VIGORMAN それまでの3回は、ほんまのボスじゃなかったんやっていうか。ただのアジア人がちょっと面白いパトワ言ってるわぐらいやったんですよ。けど、3回目のReggae Sumfestと4回目のゲトーのライヴの時は、ほんまのジャマイカ人、全員黒人が自分に手挙げてくれて。それこそ変態紳士クラブでやった武道館とか大阪城ホールとも、何かちょっとまた質が違う脳汁みたいなのが出てきましたね。
SiiiCK 最高じゃないですか。
VIGORMAN 音的なところは、2ヶ月いただけなんで、そんな2ヶ月ですべてのセンスが変わるほど、魔法みたいなことは起きてないんですけど。でも、ほんまマインドの面でスゴい成長できた気はしますね。
VIGORMAN - Jamaica Short Vlog
「序章」を意味するEP『PROLOGUE (Dancehall Wi Seh)』
SiiiCK 今回のEPのタイトルは、「序章」を意味する『PROLOGUE (Dancehall Wi Seh)』ですよね。「Wi Seh」というのは「We Say」という意味ですか?
VIGORMAN Wiは私たちのWeなんですけど。「Dancehall Wi Seh」って言うことで、「ダンスホールが俺の音楽や」みたいな感じで、強く言ってるんです。今回はコンセプトEPというか、全曲ダンスホールやし。
SiiiCK そこはダンスホールをやりたいという思いがあったのですか?
VIGORMAN まあそれが自分のルーツやし。俺の中ではレゲエとダンスホールは別のジャンルと言ってもいいぐらい、変わってきてるなと思ってて。例えば、レゲエのワンドロップと最新のダンスホールでは、もうまるで曲調も違うんです。日本やったらApple Musicとかのジャンルも「レゲエ」ってジャンルしかないと思うんですけど、向こうやったら、「レゲエ」とは別に「モダンダンスホール」っていうジャンルを選べるんですよ。けど、日本国内からリリースする時はそれを選べないんですよね。もし「どんな音楽やってんの?」って聞かれたら、「ダンスホール」って答えるような音楽を、やっぱり自分のソロでは追求していきたいなっていうのが、2年前のインタビューぐらいから強く思ってたことで。なんで、今回2ヶ月のジャマイカの滞在で得た経験と書いた曲を詰め込んでるから、「PROLOGUE=序章」っていうタイトルを付けて、その後に、「(Dancehall Wi Seh)」って付けてるんですよ。これから始まるいろんなプロジェクトの一歩目というか、それのプロローグという意味でこのEPを出してるし、自分のソロではダンスホールに特化して、ここからいろんなプロジェクトを進めていきたいなと思ってるんで。
SiiiCK 2年前も、ジャマイカの最先端の音楽を日本に紹介したいという気持ちを、スゴく話していましたよね。今回はそれがダンスホールに特化しているわけですね。
VIGORMAN 今回はさらに踏み込んで、向こうの音楽の良さを取り入れたものにしたんですよ。それと並行して、例えば「Neon」でAwich姉さん、唾奇を客演に入れるような、日本国内のシーンの外交的な動きも並行してやっていきたいなと思ってて。まだまだラッパーで、トラップやってる人も、ブーンバップやってる人も、ダンスホールに乗ったらこの人カッコいいやろなみたいな人が、俺の中ではけっこういるんですよ。けど、意外とみなさん、自分のソロではダンスホールな曲を出すわけじゃないんで。それを俺が作った曲に参加してもらうことによって、「ダンスホールってこんなカッコいい音楽なんやで」っていうのが、普段ダンスホールを聴かない、それこそ姉さんとか唾奇のファンの層にも、ちょっとでも浸透していけたらいいかなと思って。そういう外交的な動きをして、もろジャマイカの音楽に特化した音楽を追求しながら、変態紳士クラブもしながら、いろんなのをやっていけたらなと思うんですけど。でもまあ、いろんなんやってるから、「じゃあおまえは一体どこの畑の人間やねん?」ってなった時に、名刺代わりというか、「俺はソロはダンスホールやってます」って胸張って言えるように、今回のEPを出したみたいなところはありますね。

自分にとってのダンスホール
SiiiCK EPの1曲目「Prologue」では、パトワがメインですが、その中にちょいちょい混ぜる日本語も面白いですよね。「Japanese style, 風林火山/日本語で言えば準備万端」と歌っているし、「Wine & Jook」という曲では、Mumma、無駄、murderで韻を踏んでいるのが面白かったです。
VIGORMAN Addyも言ってくれるんですけど、やっぱり自分の国の言語でカマすセクションはどの曲もあった方がいいって。それは俺も強く思うところなんです。やっぱり一番得意なのは日本語だし、やっぱりどこまで行っても自分の曲を一番聴いてくれてる人が多いのも日本人なんで。サビはパトワで言っても、ヴァースは日本語でカマすとか。俺はそこは欲張りで、いいとこどりしたいんです。日本人の人にも楽しんでもらいながら、ジャマイカ人にもヤバいと思ってもらえたら最高やなっていうのが、自分のモットーなんで。それで、けっこう今回はミックスしてますね。
VIGORMAN - Prologue
SiiiCK 「Wine & Jook」で後半いいなと思ったのが、ジャマイカ人に向けてだと思うのですが、パトワで「みんな日本人はノーマルな英語をしゃべると思ってるだろ。俺はマザーファッカーじゃなく、ボンボクラーだ」って言っているのが、スゴく良かったです。
VIGORMAN それをライヴで言ってたんですよ(笑)。歌った後に最後ちょっと音を止めて、「俺は日本から来た」って。「ほとんどの日本人は普通の英語しゃべるけど、俺は普通の英語じゃないぞ。ジャマイカが好きで、ダンスホールが好きやから、俺はマザーファッカーじゃなく、ボンボクラー」って言ってて(笑)。それを日本に帰ってきてから、追加で録音したんですよね。だから、これはMCがリリックになったんですよ。10年ぐらい音楽やってきて、初めてのことをしたかもしれないですね(笑)。
SiiiCK 最初の2曲はダンスホールの最先端ですが、3曲目の「My Favorite」は、昔ながらの明るいダンスホールですね。
VIGORMAN 今回、全部入れたかったんです。1、2、4曲目は最先端を追求してるんですけど、3、5曲目の「My Favorite」と「晴れてるKingston」は、ちょっと懐かしさも感じてもらえるというか。ダンスホールってイケイケな音楽だけじゃないんですよ。例えば、今先頭を走ってる現行のダンスホール・アーティストやったら、AlkalineとかMasickaがいるんですけど。ハードの曲を歌ったら超カッコいいのに、めっちゃ明るいギャルチューンを歌うんですよね。さっきまで「俺のことディスったら殺したる」とか、銃がどうのとか言ってたヤツが、いきなりセクシーな歌を歌うのとかも、またカッコいいんですよ(笑)。そこがジャマイカ人の良さで。今回はそういうEPにしたかったんですよね。レゲエから派生したダンスホールの中に、また派生してるダークなダンスホールやったり、明るいダンスホールやったりっていうのを、5曲の中に詰め込みたくて。それこそ1曲目はGachaくん(Gacha Medz)がビートを作ってて。2曲目は、ジャマイカ人の友達のGodflowwが作ってて。いきなり3曲目の「My Favorite」でGeGを迎えたんですよ。ここの緩急というか、「1、2曲目、何なん、このEP?」、「今回、バカ尖ってるんのかな?」、「全部このダークな感じで来るんか?」と思ったら、いきなりGeG色入ってくるみたいな。で、もう一回、Godflowwに戻して。最後は「晴れてるKingston」のヴァースで、「何でいまだにダンスホールをやってるんか」みたいなのを説明して。そのヴァースは日本に帰ってきてから書いたヴァースなんですよね。この一枚を聴いてもらえたらわかると思うんですけど、5曲で12~13分の中に、自分が思うダンスホールを詰め込みたかったんです。そういうコンセプトを立ててやったわけじゃないんですけど、振り返ればそういうEPになりましたね。
SiiiCK ラスト曲の「晴れてるKingston」ですが、ああいう歌を歌いたくなるような、晴れた日があったのですか?
VIGORMAN 5回目のゲトーでのライヴが、ガチで盛り上がって、Stalk Ashleyと、「Fading Away」のビートも作ってくれた彼女のマネージャー兼ビートメーカーのJaxxが、バリ強いハイタッチとともに「You did it!!」って言ってくれて。その次の次の日ぐらいが、めちゃくちゃ晴れてて。その日にGachaくんが運転してくれてる車の助手席で、フックだけ書いたんですよね(笑)。もうちょっと頑張って発音とか言い回しを学んでいったら、自分と国が違う、言語が違う、肌の色すらも違うヤツらも、もしかしたらぶち上げれる可能性が少しはあるんかなって、やっと思えた日やったんですよね。それで、ご機嫌なサビが出来ちゃってるんですけど。それで言うと、ほんまに全然シーンは違いますけど、Paleduskはそういう面でも尊敬しかないし、あいつらなんて、丸腰でオーストラリアとかヨーロッパに乗り込んで、ほとんど日本語通じへんヤツらをぶち上げてるんですよね。彼らの活動も自分の活動していく上で、めっちゃエナジーになってるし。レゲエの中のダンスホールみたいな、ロックの中のメタルみたいなめちゃくちゃコアなことを、彼らも日本の大衆に伝えようとしてる、その数少ない考えを持ってるヤツらやなと思うんで。曲誘い合って、お互いの名義でフィーチャリングして、いまだにお互いのワンマンライヴに呼んでもらったり、呼ばしてもらったりしてるヤツらが近くにいるのは、スゴい刺激になりますね。難しいことやけど、日本人にもヤバいと思われながら、自分が追求してる音楽が生まれた国のヤツらもヤバいと思ってくれる音楽を、作っていきたいなと思いますね。
VIGORMAN - 晴れてるKingston
歌って遊んで旅して曲を書く生活
SiiiCK インスタを見ていたら、「歌って遊んで旅して曲を書く生活」って書いてましたよね。いい感じなんだなと思いました(笑)。
VIGORMAN マジでそんな生活してますね。それこそ今一緒に作ってるAddyたちのBASHMENT SOUNDとも、ジャマイカで初めて出会って。あるセッションに連れて行ってくれたんですけど、そこのセッションには、ジャスティン・ビーバー、ドレイク、カニエ・ウエストの歌を書いてるライターのヤツらがいたんですよ。そこに座ってるのがジャスティンの「Peaches」の上音を入れたヤツとか、ここに座ってるのはShenseeaの歌を何曲も書いてる子とかで。「会社にメロディ送ってたら、俺のメロディ使われてた」、「でも、ドレイクとか全然会ったことない」って話してて。みんなほんまにイキってないというか。別にそれで何も満足してないんですよ。自分のやりたいことをやってたら、そのメロディが大御所たちに使われただけで。そういうのをAddyは4~5年前に見せてくれたんですよ。見せてもらったからこそ、どこまで行っても満足できひんっていうか。今自分が立ててる「30歳までにこれしたいな」っていう目標を達成した時には、たぶんまた新たなやりたいことも出てきてるやろうし。永遠に満足できひんのも、それはそれで幸せなんかなとも思ってて。常に歌って遊んで旅してたから、こいつらとも仲良くなれたし。これからもその生活を続けるために、いろんなことを頑張って作っていきたいなと思ってますね。
SiiiCK 今年の動き、ライヴ、ツアー、リリースなどの予定は?
VIGORMAN 今年はまず、この取材の2日後に、Silent AddyとDisco Neilが、マイアミ、ニューヨーク、ロサンゼルスなど世界中で開催してきたBASHMENTというイベントが、初めて日本に上陸するBASHMENT TOKYOがあって。彼らにそのホストをまかされた以上はしっかりやりたいと思いますね。それが終わってからは、BASHMENT SOUNDのSilent AddyとDisco Neilの二人のプロデュースで、シングルを出す予定です。あとはもう一枚、EPを出したいなと思ってて。それは今回出した、ブチ尖りまくったEPより、もっと幅広い層に気に入ってもらえるダンスホールEPにしようと思ってます。変態紳士クラブの方も、実はもう5~6曲出来てまして。今年中にはみんなの耳に届くかなと思いますね。そこから変態紳士クラブでもライヴしたいし、ソロでもワンマンライヴしたいし、またジャマイカにも行くし。今年と来年は溜めてきたものを一気に放出する時期になってくると思います。これまで俺がジャマイカで何をしてきて、今から何をしていきたいか、ここから1~2年はいろんな曲で証明できると思うんで、チェックしてもらえたらうれしいですね。
VIGORMANとSilent Addy

『PROLOGUE (Dancehall Wi Seh)』
2026年4月3日リリース

1. Prologue
2. Wine & Jook
3. My Favorite
4. Soon Portal
5. 晴れてるKingston
Instagram: @vigor_insta
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