NOISEMAKER主催のフェス「KITAKAZE ROCK FES.」が、4月25日(土)と26日(日)の2日間にわたり、今年も昨年に引き続きZepp Sapporoを舞台に開催された。HIKAGE、Dragon Ash、CVLTE、ENTHが登場した1日目の盛り上がりを受けて、さらにテンション高く展開した2日目の模様をレポートする。

2日目のオープニングアクトは東京を拠点に活動するWORSTRASH。パンクをベースにしながら、ヒップホップからラウドロックまでクロスオーバーしながらオーディエンスを巻き込んでいくバンドだ。スケールの大きなアンサンブルにLen(Vo)とbibi(Ba/Vo)のツインボーカルが冴え渡る「Oh my no mind」でキックオフすると、続く「Teenage Vibes」の疾走感溢れるサウンドが瞬く間にキッズの心を鷲掴みにしていく。美しいメロディが広がった「Happy In The Screen」を終えると、Lenは「俺たち今日、ロックの未来を見せれる唯一の若手なんだよ。NOISEMAKERへの愛と北海道への愛、思いっきり伝える曲を最後にやって帰ります」と頼もしい言葉を残し、ポップパンクチューン「Love Me Kill Me」を繰り出す。短い時間でもしっかりフロアをひとつにしてみせる、素晴らしいライブだった。
そしてこの日のメインアクトへ。先陣を切るのは今回が初出演となる04 Limited Sazabysだ。「KITAKAZE、準備できてんの?」というGEN(Ba/Vo)の呼びかけとともに「monolith」でライブを始めると、その瞬間、フロアにはクラウドサーファーが続出。Zepp Sapporoはいきなり沸騰した。そしてRYU-TA(Gt)のリフから「fiction」、HIROKAZ(Gt)のプレイが牽引する「Finder」にキャッチーなサビが弾ける「Jumper」と、アグレッシブなチューンを畳み掛けるフォーリミ。ライブバンドとしての経験値と実力は折り紙付き、フロアをがっちりと掴んでみせる。「大好きな札幌、大好きな友達がいっぱいいるこの街に光が差しますように」というGENの言葉とともに「swim」を届け、JUDY AND MARYのカバー「mottö」を経て「midnight cruising」へ。キラキラと眩しい音が美しく広がった。NOISEMAKERへのリスペクトが滲む、フォーリミらしいステージだった。
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フォーリミに続き、荘厳なSEからステージの幕を開けたのはCrystal Lake。今年3月にボーカリストのJohnが脱退し、この日はPromptsのPKがサポートボーカルを務めるという体制。バンドとして大きな転換点にいるわけだが、そんなことはいったん板の上に立てば関係ない。スキルとパッションを惜しげもなく曝け出すPKのボーカルも、YD(Gt)、Gaku(Dr)、Mitsuru(Ba)、TJ(Gt)のプレイも、圧倒的熱量でこちらに迫ってくる、とんでもないライブだった。「もっと回れますか?」というPKの言葉がサークルモッシュを生み出した「Prometheus」を終えるとライブは後半戦へ。「昔から一緒に切磋琢磨してやってきた仲間のこういう素晴らしい日にプレイできることを誇りに思います」とYD。そしてその盟友からUTAを呼び込み、彼とともに「WATCH ME BURN」を披露する。「The Weight of Sound」ではオーディエンスのスマホのライトが美しい光景を描き出し、最後は「Apollo」。まさに人生そのもののような紆余曲折を潜り抜けながら走り続けるCrystal Lakeという生き様を、北の大地にきっちりと刻みつけたのだった。
次にステージ登場したのはNothing's Carved In Stone。「最高の夜にしようぜ!」という村松拓(Vo/Gt)の言葉から1曲目「Out of Control」が始まっていく。フロアではクラップが巻き起こり、それを受けてステージの4人が鳴らす音にもいっそう熱がこもっていく。変拍子のキメから生形真一(Gt)のソロへ。スキルフルな演奏と、それを凌駕するエモーションがこのバンドの真骨頂だが、それはどんな現場、どんなステージでも変わらない。ジャンルもカテゴリーも超えて、彼らの音楽がオーディエンス一人ひとりに深く刺さっていく様子が手に取るようにわかる、熱いライブだ。大喜多崇規(Dr)によるシャウトが響き渡った「All We Have」に、オーディエンスと一体となって声を上げた「Isolation」。ライブは終盤に向けてさらに加速。最高のライブは最後、「Dear Future」で鮮やかに締めくくられた。
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暗転した場内に『スター・ウォーズ』のテーマが鳴り響く。「いこうぜ、札幌!」。拳を突き上げた細美武士(Vo/Gt)が叫び、「Let It Burn」を歌い出す。スコット・マーフィー(Ba/Cho)のコーラスがそこに色を加え、一瀬正和(Dr)と戸高賢史(Gt)の鳴らす音がブーストをかける。そんなふうにして始まったMONOEYESのライブは、続く「Run Run」でさらにヒートアップ。力強いタテ乗りのリズムにZepp Sapporoのフロアは大きく揺れる。「すごいねKITAKAZE、いいお客さんがついてるんだね」と細美。「めっちゃ楽しいから、ビール持ってきてもらっていい?」とスタッフにオーダーし、届いた缶ビールをぐいっと呷り、「チバ(ユウスケ)さんがステージの上で『誰かビール買ってきてくれよ』って言ってて」と以前この会場でTHEE MICHELLE GUN ELEPHANTのライブを観たときの思い出を語る。続いてスコットがリードボーカルをとる「Reflections」と「Adrenaline」を披露するとライブは早くも終盤にさしかかる。細美が両手を広げてメッセージを届けるようにして歌う「アンカー」がここに集まったオーディエンスを鼓舞するように広がり、「When I Was a King」では一面の手拍子が鳴り響く。最後の「リザードマン」で会場を完全に1つにすると、バトンをラストのNOISEMAKERに繋ぎ、MONOEYESはステージを去っていったのだった。
そしていよいよ、2日間を締めくくるNOISEMAKERのステージ。この日のオープニングは、前日の本編最後の曲「Something New」だった。中盤、「MAJOR-MINOR」を終えて「KITAKAZE、ファッキンクソやべえっす」とAG。「今日、朝から観てて。俺の大好きなバンドたちがKITAKAZEのフラッグを背負って演奏してくれているのを誇りに思う。この『K』は感無量の『K』だな」と感慨深げだ。「1つ言っとくぞ。全バンドやべえだろ? かっけえだろ? この音楽とライブ、札幌ドーム埋まらなきゃおかしいんだよ。埋まるはずなんだよ。全部ひっくり返してやるからな!」。そんな言葉で力強く意思を表明すると、「Supernatural」へ。すると、ステージに1人の男が飛び込んできた。先ほどCrystal Lakeでフロアを熱狂させたPKだ。その登場にさらに沸き立つフロア。しかし、この日のスペシャルなコラボはこれだけではなかった。「マジで気持ちいいです」。「LAST FOREVER」を終えたAGがフロアに話しかける。「こういう感情になると、奇跡なんじゃないかなって思う瞬間があって。でも、続けることでしか見えない景色もある。俺の友達がよく言うんですよ。『奇跡を待つ暇はない』って」。そしてシンバルのカウントと同時にステージに登場したのはCrossfaith・Koie! 披露されるのはもちろん「KINTSUGI」だ。AGとKoie、2人の声が交わり、2日間のフェスに新たなハイライトを刻む。「最後、一言だけ」――Koieを送り出したAGが話し出した。「生きるということ。北海道に生まれるということ。北海道でバンドを組むということ。北海道から世界へ行くということ。でも、生きるということ、続けるということ。もがいても、傷ついても、諦めそうになっても続けるということ。NOISEMAKERを死ぬまでこの4人で続けるということ」。そして歌い出した「To Live Is」が力強く本編を締め括った。
その後、アンコールで再び戻ってきた4人。「北海道からマジでひっくり返そうと思ってるんで。本気なんで、見ててくださいよ、札幌のみなさん」。AGの頼もしい言葉とともに打ち鳴らされた「Flag」が、ここに集まったオーディエンスとの約束のように鳴り響く「ロックバンドは死んでねえぞ、札幌!」――そんな思いに応える大合唱は、この熱い2日間のラストにどこまでもふさわしかった。
Text= 小川智宏
Photo =Taka "nekoze" photo
JMS
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