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"KTR pre. GOAT"ー異なるバックボーンを持つ3バンドの共演ー

4月8日(水)Spotify O-WESTにて開催されたGOAT#2の公式ライブレポ。出演は、redmarker、TYOSiN、ANORAK!。そして、Age FactoryがGUEST出演。

 これからの日本のロックシーンを担うであろう次世代ロックバンドが集結するライブイベント「GOAT」を主催してきたKTRが原点回帰を掲げて始動したこのイベントの2回目が、4月8日水曜日Spotify O-WESTで開催された。昨年9月11日に開催された第1回に引き続き、今回もチケット代は無料。会場は新しい音楽に出会いたいという熱いハートを持ったオーディエンスで埋め尽くされ、最初から最後まで最高の雰囲気の中展開した。今回の出演アーティストは、ANORAK!、redmarker、TYOSiNにシークレットゲストを加えた全4組。それぞれ異なるバックボーンとルーツを持つバンドたちがこの絶好のチャンスに自分たちのスタイルを見せつけようと全力のパフォーマンスを披露した一夜の模様をレポートする。

 トップバッターとして、O-WESTのステージに立ったのは、redmarker。アッパーのビートとシンセサウンドが弾けるSEに乗って躍り出てきたいっ太(Gt.Vo)、斗夢(Ba.)、上原サネトモ(Dr.)の3人は、「よろしくお願いします」といういっ太の挨拶から、1曲目「fly!!」を繰り出した。オートチューンのかかったボーカルとダンスビートが瞬く間にフロアを掌握していく。フロアではオーディエンスの手が上がり、駆け出しは上々だ。そこから一転、ヘビーなベースラインがいっ太が奏でるキャッチーなギターリフと絡み合い、エモーショナルに爆発する「度肝」へ。「みんなに楽しんでほしいなと思ってやってます。知ってもらいたいというのももちろんあるけど、楽しいのがいちばんなんで」といっ太はバンドのスタンスを口にしたが、その言葉通りの光景が早くも会場には広がっている。

 その後も、「teenager 4ever」「young blood」と、緩急自在のビートとサウンドを繰り出して、バンドの音楽的な振り幅の大きさを見せつけるredmarker。ポストハードコアやエモ、オルタナティブロックがその軸にはありそうだが、そんな言葉では定義しきれない面白さがこのバンドにはある。ライブ後半ではアンセム「star」で一気にフロアの熱を高めると、ソリッドなバンドサウンドがスケール大きく広がる「grassland」へ。「みんな一緒」という意味を込めた〈FROM DANCE FLOOR WITH LOVE〉というフレーズが力強く鳴り渡った。「俺たちは飛び級でここにいる」といっ太は言った。それが偽らざる本心なのだろう。だが、ライブハウスでそんなことは関係ない。ラストの「22」まで、トップバッターとして堂々たる熱演を貫き、イベントの火蓋を切ったのだった。

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 続いて登場したのはTYOSiN。ラッパーでありボーカリストであるTYOSiNのソロプロジェクトという建て付けだが、ステージで彼ら自身も言っていた通り、実質としては5人体制のバンドである。そのバンドメンバー、G4CH4 (Gt/Manipulator)、RENA (Ba)、DAIKI (Dr) 、ViryKnot (Gt)がヘビーなサウンドを鳴らす中、ステージに姿を現したTYOSiNは叫んだ。「I’m TYOSiN、東京から来ました」。そして早速フロアを煽り立てながらラップやスクリームを繰り出していく。さらに、タイトルコールで歓声が沸き起こった「菊一文字」では、フロアの柵に登り、歌い叫ぶTYOSiN。あまりにアグレッシブなパフォーマンスでイヤモニが外れてライブを止めるというアクシデントもありながら、それすらもパフォーマンスの一部にしてライブは続いていく。

 メロディアスなロックナンバー「雨に唄えば」から衝動に満ちたエモラップ「笑殺」、メンバー紹介を経て、「俺が死んだ」という名乗りから突入した「Acacia」。曲が進むごとにフロアの空気は濃くなっていく。鋭いサウンドと切ない歌が感情をかきたてるような「百舌鳥」を終えると早くもライブは終盤。「こんなチャンスをくれてありがとうございます。これしか言うことないです」という短い言葉を経てTYOSiNは再び轟音の中に身を投じていった。「Love of Hell」「HYPE」とクライマックスに向けてフロアで上がる手の数も増えていく、彼の求心力は初見のお客さんにとっても深く刺さるようだ。雷鳴とどろくイントロを経て、ラストは「Tempest」。幽霊のラップに劇場を込めながら最後の最後まで、TYOSiNは目の前のオーディエンスの胸ぐらを掴んで訴えかけるようなライブを貫き続けたのだった。

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 そのTYOSiNのステージが終わるとステージを白い幕が覆った。次はいよいよシークレットゲストの登場だ。幕にステージに立つバンドのシルエットが浮かび上がり、そしてオーディエンスの期待が最高潮まで達した瞬間、幕が落ちた。姿を表したのはAge Factoryである。途端にO-WESTは絶叫のような歓声で包まれた。1曲目は「GOLD」。オーディエンスの拳が突き上がり、シンガロングが起きる。「跳べ!」と清水英介(Vo/Gt)。もちろんフロアもその言葉に全力で応えていく。続く「Shadow」ではクラウドサーファーが大量発生。ここまで十分に温まってきたオーディエンスが、そのパッションを爆発させていく。さらに息つく間もなく「RIVER」へ。かき鳴らされる清水のギターが問答無用の迫力で迫ってくる。「奈良、Age Factoryです。よろしくお願いします。シークレットとか関係なく、やるかやられるかなんで、俺たちはやります」。そんな不敵な言葉でオーディエンスを煽りながらAge Factoryのライブはさらに加速していった。

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 この日のラインナップにあっても、彼らのライブが生み出すエネルギーはひときわ凄まじい。「3」を経て、西口直人(Ba)のベースに増子央人(Dr)のドラムが重なり、フィードバックノイズが鳴り響いて「漆黒」が始まっていく。「誰が間違ってんだよ! 俺か? お前か? ここでそれを決めるぞ」。そんな清水の言葉にますますぶち上がるフロア。その後もSped Upバージョンの「CLOSE EYE」に「Party night in summer dream」と楽曲が畳みかけられ、O-WESTはお祭り騒ぎ。「WORLD IS MINE」での清水のシャウトがすでに熱々のフロアに一気に火をつける。「みんなイケてる? 俺たちはいい感じだよ。一緒にいこう」――そう告げて「TONBO」。夕日のような眩い光がステージを照らし出す中、この3人にしか鳴らせない、Age Factoryにしか鳴らせないロックが会場を包み込んだ。そして、「どんなクソみたいな日でも、みんなが好きなもんだけ守ってくれ。マジで楽しかったよ」という清水の言葉と共に最後の曲。キラキラとエネルギーが広がっていくようなギターリフとメロディ。「Feel like shit today」だ。最高の余韻を残して、Age Factoryはステージを降りていった。

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 そしてこの日もいよいよ最後のアクト。ツインギターの重厚なサウンドに、エモーショナルなボーカルを乗せ、一気にO-WESTを自分たちの色に染め上げたのはANORAK!だ。「中野」「浅草」「表参道」「吉祥寺」とファーストアルバムの頭4曲を一気に披露すると、「新しい曲やります」と、「Darkish Green」へ。みずみずしさと激しさが同居したようなサウンドに、演奏が終わるとフロアから「最高!」という声が上がる。「最後まで残ってくれてありがとう」と前田朝帆(Vo/Gt)。呼んでくれたことに感謝をしながら、このイベントのタイトル「GOAT」がアメリカのスラングで、「Greatest of all time」の略であることを伝え、その派生形として、「今日いちばんヤバかったやつ」を意味する「Goated」という言葉があると話し出す前田。「俺らがGoatedになっているなと感じております」と自信満々だ。そしてそれは実際その通り。次々と楽曲を重ねながら、ANORAK!は自分たちの強烈な個性をオーディエンスの耳と心と目に刻み続けた。そしてショートチューン「Fledgling」でライブを再開すると、ここからは先ほどまでと違い、「Old Kicks」や「Shade」、そしてセカンドアルバムからの「Username」や「Summertime」など、最近の曲がスキットを挟みながら次々と披露されていく。メロウだったり、アップリフティングだったり、優しかったり、激しかったりする。曲間で前田がサンプラーから流すトラックも含めて波のように様々な感情曲線を描き出しながら、ANORAK!のライブは進む。「Summertime」では前田の「踊れますか?」の言葉にフロアが沸き立ち、そのテンションのまま、「JOY」から「Pure Magic Pt.2」に突入すると、O-WESTは最高潮を迎えたのだった。

 その後、再びファーストアルバムの曲に戻り、「八王子」「調布」を届けると、ラストは「下北沢」。加藤允貴(Gt)の背面弾きも飛び出し、ライブは大団円……かと思いきや、オーディエンスはまだ満足していなかった。アンコールの声にステージに引き戻されたANORAK!の4人。前田が「こんなに聴いてる人がいたのかって感動があります」と嬉しそうに話すと、バンドは「Call Me By Your Name」を演奏し始めた。中村光太朗が叩き出す前のめりなビートと、ぐっちゃぐちゃになりながら駆け抜けていくツインギターと山本海駆のベース。あっという間に終わってしまったが、彼らが去った後には気持ちのいい多幸感が漂っていた。

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 なお、この日のイベント終了後にはGOAT第3回の開催も発表された。次回は6月25日。新たなロックバンドとの出会いを求める人はぜひチェックしてほしい。


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文= 小川 智宏
写真 = Taka "nekoze photo"

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■イベント情報
KTR pre.『GOAT』
日程:2026年6月25日(木)
時間:open 17:30 / start 18:30
場所:Spotify O-WEST


出演:JasonAndrew / ReVERSE BOYZ / View From The Soyuz / SECRET BAND


<チケット情報>
スタンディング:¥0(入場時別途ドリンク代・整理番号付き)

https://eplus.jp/ktr-goat/

※1人2枚まで
※未就学児童入場不可
※チケットは全て電子チケット。
※出演者のキャンセル・変更などに伴う払い戻しは不可。

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