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"KTR pre. GOAT III"ー 未来を担う4組が刻んだ圧感の熱演 ー

KTRが手がける無料ライブイベント「GOAT」の第3回が、2026年6月25日にSpotify O-WESTで開催された。激しいモッシュやシンガロングが渦巻く熱狂のフロアを生み出した壮絶な一夜のレポ。

「REDLINE」の主宰であるKTRが始動させた新イベント「GOAT」が、2026年6月25日にSpotify O-WESTにて行われた。日本のロックシーンを担うであろう次世代ロックバンドを招致し、間口を広げるべく無料イベントとして開催している当イベントの第3回目は、JasonAndrew、ReVERSE BOYZ、View From The Soyuz、そしてシークレットゲストが出演。ジャンルの垣根を超えながらも、それぞれのバンドが宿す核(コア)となる部分に強烈な親和性を感じ取ることができた珠玉の4マンについてレポートする。

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 開演前から熱気が立ち込めていた会場にトップバッターとして登場したのは、大阪のハードコアバンド・ReVERSE BOYZ。関西のハードコア・クルー<WEST SIDE UNITY>の一員であり、「NEONINJA HARDCORE」を掲げている彼らに対するオーディエンスの期待感と熱量は初っ端から凄まじく、「We're from M19」では、Gaki-G(Sampler)が鳴らすホーン音が警鐘となり、Taz(Gt)、Maco(Gt)、yky(Ba)、Lil Azi Vert(Dr)が織りなす鋭くも抜群の重厚感を持つサウンドがオーディエンスの芯を抉る。続く「v(K0M)v」では強烈なビートチェンジとYoung Dio(Vo)の「渋谷!ぶっ壊そうぜ!」との咆哮を合図にフロアはモッシュピットへと一変。ステージとフロア、どちらもとてつもないエネルギーを発しているその光景を例えるのならば、まさに“地獄絵図”。生半可な気合いで彼らに挑むと喰われる──本能的にそう感じるほど、タイトでアグレッシヴなライブだ。捲し立てるラップと重さを増し続けるビートが生み出すそういった緊張感を唯一無二の高揚感へと導くのは、ハードコア魂を基盤に据えつつ、ヒップホップやクラブミュージックといった他ジャンルの要素も盛り込まれている自由度の高さと遊び心が故。その上で彼らが「ReVERSE BOYZ」という自己表現に対する絶対的な矜持を持ち得ているからこそ、オーディエンスに憧憬を抱かせ、絶大な牽引力を生み出しているのだろう。「ハードコアは治安が悪いと言われがちですけど、そんなことよりも音楽がヤバいんで。そこが分かってない時点でマジで時代遅れだし、“治安悪い”が先行している奴らはまだハードコアを知らないんで。その凄みを伝えにきました」と大阪のハードコアシーンを作る気概を示し、ラストの「Friendz」まで狂犬の如く強靭な爪痕を残していった。

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 続いて登場したのは、View From The Soyuz。「Chronostasis」で荘厳さと邪悪さの双方を醸し、雰囲気を一変させる。KEI(Gt)、NARI(Gt)、sima(Ba)、Shunsuke(Dr)が紡ぎ出す深みと狂気を孕む極上かつ極太なサウンドが、オーディエンスの興奮を掻き立てる。そしてmasa(Vo)が次曲の「At The Cape…」をタイトルコールをすると、本能に触発されたオーディエンスが血肉が湧いたかのように一斉に暴れ出す。masaの迫真のデスヴォイスが緊張感と高揚感の双方を導き、フロアは早々にカオスに!そんな鬼気迫る光景を生み出す楽曲の中に、聞き易さを感じさせるのがView From The Soyuzの凄いところだ。彼らの礎となるメタルやハードコアの極悪で狂気的なバンドサウンドで掻き鳴らしつつも、クラシカルでメロディアスなフレーズをしっかり落とし込んでいるからこそなせる技だと感服する。特に「Comatose State Ⅱ」は、2分強の尺のショートチューンにも関わらず、怒涛の展開の中にメタルの迫力と壮大さや、ファストハードコアの暴虐性やスピード感といった垂涎ものの要素が高密度で凝縮されている、彼らの好奇心と探究心の賜物だ。セルフタイトルナンバー「View From The Soyuz」で「かかってこい、渋谷!」とマイクスタンドを掲げる様は宗教画の如く神々しさを携えており、その圧倒的牽引力に体ごと引っ張られるかように本能剥き出しにして暴れ回るオーディエンスのエネルギーは凄まじいものだった。今回のイベントについては「いつものメンツやんけ!と思いました」と笑顔を見せつつも、「JasonAndrewもReVERSE BOYZも、何年も前から、何ならライブでお客さんが10人もいなかった頃から知っているバンドです。だからこそ、こうしてお誘いしてもらえたことが嬉しいです。GOATありがとう、最高です!」と感謝を告げた。そして「ここから俺らもフルテンでかましていくから、ついて来れるか?」と一喝し、ラストの「Ättestupa」まで豪快なライブを繰り広げた。

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 View From The Soyuzの白熱のライブが終わるとステージを隠すように白幕が降り、いよいよ次はシークレットバンドの登場だ。SNS上でも様々な憶測が行き交っていたが、あと数分で正体が分かるといったこのタイミングでのオーディエンスの期待値は熱気として伝わってくるようだった。そして、ステージから何故か猫の鳴き声が聞こえ、遂にピンクの照明に染められた幕が開く──ENTHの登場だ。大歓声が沸き起こる中、SEである「☆愛♡醒☆」が流れる間に、テキーラボーイから運び込まれたがテキーラを煽りマイク越しに缶ビールを開けると、ダト・ダト・カイキ・カイキ(Ba・Vo)が「本日のシークレッツ、ENTHです宜しく!」と挨拶。そして「突然のメロコア~!」と「ムーンレイカー」とブチかます。歓喜に沸いたオーディエンスによるシンガロング・ダイヴ・モッシュの嵐が巻き起こり、フロアは速攻破茶滅茶に。タクミ(Dr)が高速で叩き鳴らす逞しいツービートにナオキ(Gt)の鋭くエモーショナルなギターが乗り、最高速度で聴者の興奮を煽る。そこから更にブーストするように「”TH”」へと雪崩れ込み、攻めに攻めたカッチカチのグルーヴで会場を席巻していく。「LOVE ME MORE」では、主宰のKTRもステージに登場して2度目のテキーラタイムが勃発。もう、何でもありだ。そんな遊戯的なライブを繰り広げた彼らだが、「ENTHを知らない人たちばっかりだと思っていたから、不安だった」「今日はどちらかというと混ぜてもらっている感がある」と言葉を漏らした。メロディックパンクバンドらしい疾走(爆走)感やメロディアスな一面を主軸に置きつつも、自らが“カッコいい”と感じたジャンルのエッセンスを自由に取り入れながら「これがENTHだ」と言える唯一無二を模索し作り上げていく彼らの度量と実直さが、オーディエンスの心を突き動かしているのだろう。そんなフロアとの親和性の高さを肌で感じ取った彼らは、ライブ終盤のスカパンクナンバー「Gentleman Kill」を終えると「微妙に時間余りそうなので昔からやってる曲ちょっとだけやります」と、本来のセットリストにはなかった「Will」と「Get Started Together」を投下!ラストの「WHATEVER」を終えるまで「バンドは意外と楽しんで長く続けていけるんだぜ」との言葉を全力で体現し、JasonAndrewにバトンを託した。

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 イベントの大トリを務めたのは、横浜のJasonAndrew!「最後まで残ってくれてありがとう!メロディックハードコアやって帰ります!」と、1曲目に「CLOWN」を堂々とブチかます。Ryosei(Ba/Vo)、タカギ ユウスケ(Gt/Vo)、ムー(Gt/Vo)、kaito(Dr)が作り出す泣きメロとアグレッシヴなサウンドが織りなす極太のグルーヴに感化され、フロアでは乗っけからクラップやシンガロング、モッシュにダイブが湧き起きる。爆裂ツービートと痛快なギターが身体を根底から揺らす「Close Your Eyes」ではView From The Soyuzのmasaをゲストに迎え、さらに「パーティーしましょう!」とハードなパーティーチューン「Zero/Know Your Enemy」を連続投下し、息つく間を一切与えない迫真のステージで会場を圧倒し続ける。腹を抉るような強烈なビートと空気を切り裂くような鋭さを持つギター、全身全霊のボーカルが生み出す熱量と覇気がオーディエンスのテンションを底上げし、全員で凄まじいグルーヴをみるみるうちに作り上げていく。スピードとストイックさの中に絶妙なブレイクを挟んだり、ハードなバンドサウンドはそのままにエモーショナルなフレーズやメロディを落とし込むことでドラマチックな一面を見せたりと、「ハードコア」というジャンルに留まらない自由な感性を持ち得ているのがJasonAndrewの素晴らしさだ。「四肢もげるまでモッシュしていってください」と煽り、中盤では「Drain」や、メロディックハードコアの芯を食った「Through the way」を爆裂プレイし、一縷の体力も残させないという気迫と気合を感じるプレイで畳み掛ける。ラストはENTHからテキーラを発注し、特大シンガロングを巻き起こしたスカとハードコアが融合した極上ナンバー「Vintage」、ReVERSE BOYZを招いての強烈な「3SHOT GUNZ」、そして「VintageII」で壮大に本編を締め括ったが、興奮が収まらないオーディエンスにトドメを刺すように、アンコールで「Wanted Break (feat. Mone)」をプレイ。4組による壮絶で最高な一夜は、強靭で逞しい次世代バンドへの期待感を増幅させて幕を閉じた。

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Text = 峯岸利恵
Photo = Taka "nekoze" photo

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